JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE

神戸市外国語大学外国語学部

  • 留学先 :ノースカロライナ大学チャペルヒル / University of North Carolina, Chapel Hill
  • 留学時期:2014秋

留学先の大学や現地の印象について教えてください

まずこちらについてからの印象ですが、とりあえずキャンパスが大きいです。 神戸外大とは本当に生徒数もキャンパスの広さもくらべものにならないので、圧倒されましたが徐々に慣れつつあります。キャンパス内は無料バスが走っているのでそれを利用してもいいそうです。まだバスの路線を覚えていないので一度しか乗っていませんが、寮の目の前にバス停があって便利だそうです。大学ではアジア系の生徒をよく見かけますが大体が現地の生徒で、留学生は全体の5%のみとのことです。中でも日本人の生徒(現地学生、留学生含め)はものすごく少ないとのことでした。Exchange Studentのオリエンテーションに参加した印象ではデンマーク、オーストラリア、中国、韓国からの生徒が多かったように思います。今年の日本人の交換留学生は私を含めて3人で、それぞれ早稲田と慶応大学から来ています。UNCと提携校なので、毎年何人か来るようです。私のメンターのErikaもこの8月まで早稲田大学に留学していました。こちらに来るまで知りませんでしたが、UNCにはEASEという団体があり留学生にはメンターが付きます。空港でのpick-upもメンターの役割らしいです。先週末はErikaの友人宅に行ってパーティーをしたり、近くのSouth Point Mall(車で10分ほど)に連れて行ってもらいました。何か必要があればいつでも連絡してとのことなので、コミュニケーションをとりながら良い関係を築けています。

寮での生活やルームメイトについて、詳しく教えてください

ルームメイトはSarahという黒人の女の子です。明るい性格で、気遣いもしてくれるいい子です。Sarahにいろいろ教えてもらいながら、徐々に大学にも慣れてきました。こちらに来る前は共同生活は不安でしたが、今のところストレスなく過ごしています。Dorm typeがsuitなのですが、トイレやシャワーなどは4部屋で共有しています。Suit mateとはまだあまり仲良くなれていないので、少しずつ距離を縮めたいと考えています。あと足りないもの(生活用品等)がまだあるので、買い物に行って揃えようと思っています。平日は朝早くから授業をとっているので、7時過ぎにSarahやSuit maitと朝ごはんを食べてから授業に行き、授業後は寝るまで課題や予習に追われる毎日です。想像はしていましたが授業は本当にリーディングが多く、さらに内容も小難しいので大変です。教授の言っていることもわからないことが多いのでこれからテストの時期が怖いですがこれから徐々に慣れていけばいいなと思っています。

授業について教えてください

あとUNCで大変なのは思ったように授業が取れないことです。日本で一応履修登録はしていましたが、スケジュールがすごい混んでいたのと、イメージと違う授業があったので変更しました。ただ、面白そうな授業は学部生が優先されたり、すぐに定員オーバーになってしまいます。教授に1年しかいないからといって頼み込んでもなかなか受け入れてもらえませんでした。現地の学生にとっても履修登録は悩みの種らしいので、大きい大学ならではの問題なのかなと思います。 クラスは20、30人ほどの小さめの規模のものもあれば、100人以上いるような大規模な授業もあります。ほとんどの授業では教授と生徒の会話をベースに進んでいきます。大規模クラスにはlectureとは別に10人~20人ほどで行うRecitation classの履修が必須となっていて、そこで詳しくdiscussionをします。まだまだどのクラスもついていくのは大変です。 これからの課題は授業でついて行けるように(発言できるように)なること、友達の輪を広げていくことかなと考えています。悩み事はありますが、それでも充実した日を過ごしています。

履修科目について

Cultural Diversity
International World Politics
Culture & Consumtion
Pre-modern Japanese Religion
Fundamentals of Music

留学生活を振り返って

留学の目的は何でしたか

多様な人種の生徒がいる環境下でともに勉強をすること。日本の大学では学べないことを学びたい。

上記の目的は達成されましたか

達成されました。留学生自体の比率は2%ですが、さすがアメリカということもあり生徒はさまざまなバックグランドを持っています。そんな環境下で特に人種、ジェンダーについて学ぶことが出来たのは興味深かったです 。

留学を通して身に付いた、成長したと感じる点はどんなところですか

一年間という長い期間、異文化の中で生活することでいろいろな考え方を受け入れることが出来るようになったと思います。アメリカでは授業中、自分の意見を積極的にいうことが求められますが、間違いを恐れずに発言する度胸は日本にいたころよりも身に付きました。いろいろな考え方の学生がいますし、海外からの学生も多いので意見は違って当たり前という雰囲気は良いなと思います。また、授業を通して物事を見たまま受け入れず批判的に見る、常に疑問を持つ思考力が身についたと思います。こちらの授業では常にcritical thinkingが求められます。日本にいたころは苦手と思っていましたが、留学を経て訓練することが出来たのは私にとって大きな収穫です。

語学力についてお書きください

語学力は間違いなくついたと思います。英語を話すことの抵抗感がぐっと少なくなり、スムーズに言葉が出るようになったと思います。しかし会話レベルではある程度使いこなすことができても、授業となるといまだに苦労することがあるのでまだまだ訓練が必要だと感じています。

これからの目標、進路についてはどのように考えていますか

日本に帰ってからはすぐに就活が始まりますが、やはり海外に通じる仕事に就きたいという思いがあります。アメリカに来て日本の良い点、悪い点についてよく考えることがありました。私は日本の良いものを海外のプロモーションする役割につきたいと思うようになりました。

同じ大学へ留学する後輩へのメッセージ、知っておいたほうが良いことを教えて下さい

UNCがあるChapel Hillはアメリカ南部に位置し、南部特有のホスピタリティの文化が根付いています。そこはニューヨークなどの北部とは大きく異なる点です。エレベーターで一緒になった知らない学生、交通整理のおじさんやレジのおばさんと会話をしたり、必ずドアを次の人のために開けてあげたり人と人の距離の近さを感じます。例えば道に迷って分からないことがあれば近くにいる人に聞けば誰もが助けてくれます。ただ、自立して動くことも必要です。なにもかもサポートしてくれるわけではなく、自分でやれることはやる、という部分が強くあります。特に留学した始めは新しいシステムに慣れるのが大変でしたが、まずは友達やクラスメイトに聞けば何でも教えてくれます。聞けば必ず助けてくれる人いるので、能動的に動くことがとても大切だと思います。

上記の質問以外で、留学を通しての現在の想いについて、自由に書いて下さい

留学して、楽しいこと、つらいこと、いろいろな経験を得ました。日々チャレンジの連続で、密度の濃い一年を過ごすことが出来たと思います。その経験を通して自分の強み、弱みを知ることが出来たのは私にとって大きな収穫です。慣れた環境に身を置いていては自分に何が出来て、何が出来ないのか、特に課題を見つけることは難しいです。留学は自分を知る良いきっかけになったと思います。留学を決断するまで時間がかかった私ですが、今ではアメリカに来てよかったと思います。もし留学を迷っている人がいれば、是非、思い切って決断してほしいです。

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