JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE

成蹊大学文学部国際文化学科4年

  • 留学先 :ノーサンブリア大学
  • 留学時期:2021年秋派遣
  • 留学期間:2021年9月~2022年5月

大学のある街・治安

どんなところですか:ニューカッスルには大学が二つもあるのでイギリスの都市としてはとても治安が良いところだと思います。ダウンタウンにあるモールがかなり大規模でなんでも買い揃えることができます。歴史的な建物も多く街中を歩いていて歴史を感じることができる魅力的な街です。

ダウンタウンまでのアクセス:滞在している寮はタイン川を挟んで隣にあるゲーツヘッドという街にあり、ダウンタウンまでは徒歩20分、メトロで5分程度の距離にありアクセスがいいです。

お薦めスポット:ダウンタウンの中心にあるモニュメント広場がおすすめです。カフェやモールが周りにあるので1日遊んで過ごせます。

その他:中世に建てられたニューカッスル城は観光名所なのでおすすめです。毎週日曜日にタイン川の側で開催されるマーケットもおすすめです。移民が多いイギリスだからなのかアジアンフードやヨーロッパのご飯が食べられる屋台がたくさん並んでいてとても楽しいです。

学生同士の交流・友人関係

現地の学生:セミナーで少し話す程度。

他の国からの留学生:キャンパスで会ったら少し話す程度。フラットメイトが全員留学生なのでキッチンで会ったら少し話す程度。

日本人:日本人学生はとは出会っていません。

留学の目的について

自分の興味のある分野に関して英語で理解を深めること。将来、修士過程で海外進学を目指して、アカデミックな英語を使えるようになること。特にライティングとリーディングの面で、自分のスキルを鍛えること。

上記の目的は達成されましたか。

ある程度達成されたと思います。履修科目でのエッセイは毎回やるごとに、アカデミックな英語に慣れていっている手応えを感じることができたと思います。その反面、グループワークなどはあまりなかったので、コミュニケーション面ではあまり成長は感じられませんでした。

留学を通して身に付いた、成長したと感じる点

留学を通して身についたのは、交渉する力、なんでも自分から調べる・聞く力だと思います。大学の細かな手続き、ワクチンのブースター接種やヨーロッパ旅行もコロナでいろいろ規制があったりしたのですが、自分で全部調べたり、他の人にアドバイスを聞いたりしてやっていくうちに、自分でしっかり情報管理して、動いていけばできることがたくさんあることに気づき、大変だけどこうやって自分でやっていかなければいけないという人生経験になりました。成長したのは、嫌なことや苦手なことと向き合えるようになったとこだと思います。以前と比べて今まで嫌でもはっきり言えなかったことをはっきり嫌と言えるようになって、成長したのかな、と思います。

留学を通しての現在の想い

やっと留学が終わった、という思いが強いです。これから在籍大学の卒業までの計画やその後に関して、考えるときにこの留学での辛かったことや嬉しかったこと全てがこれからの人生で経験するであろうことや決断においての自分の自信につながる気がします。自分の力だけでは留学は始まらなかったし一年やっていけなかったと思うので家族や、友達、現地の大学スタッフやJSAFさんのサポートにすごく感謝しています。

今後の進路、目標について

ドイツ語圏に移住したいので、ドイツ語を勉強してドイツ語圏の大学院に進もうと思います。英語もキープしながらドイツ語も渡航できるレベルに到達できるように頑張りたいと思います。そこからは、アカデミアに残るかわかりませんが、今は自分の興味のある専攻をもっと勉強していきたいと思います。

同じ大学へ留学する後輩へのメッセージ、知っておいたほうが良いこと

留学生は同じ国籍同士で固まってるし、基本的にイギリス人はソルティーなので友達を作るためには、自分からかなり積極的に行くことをおすすめします。専攻にもよりますが、私の専攻しているヨーロッパ史は、留学生も少ないし学生も物静かな人が多いです。ビジネスやマネジメントなどの専攻の学生は比較的にフレンドリーです。私はドイツ語を外国語として履修したのですが、学生も先生も優しくて話しやすかったので、心から履修して良かったと思います。教授やチューターはイギリス人ばかりでなく他の国の出身の人もいます。とてもフレンドリーで、自分で質問したりエッセイに関して自信がなくてもそれを伝えれば、アドバイスをくれたりします。

留学先の国、大学について、出発前と考え方やイメージが変わった点はありますか。

イギリスの学生は、真面目なイメージがあったのですが、本当に人それぞれで、真面目な人もいれば、学生ライフを満喫しているような学生もいて、自分のイメージとはかなり違っていました。留学生もかなり多く、アフリカ、アジアなどからの留学生がいました。でも、同じ国籍でみんな固まっているので、現地の学生と留学生が交流している様子はあまり見ませんでした。国際色豊かなイギリスとは言え、移民や留学生が現地の人と交わっている感じではないのが、イギリスに来たからこその発見でした。

プログラム費以外でかかった費用目安

生活費個人的な諸費用(こづかい、買物代など)合計:50万(月のお小遣いは約8万円)
航空券代15万円(往復)
現地旅行費用5万円
教材費学部授業:3000円
その他携帯電話料金:18000円、ミールプラン以外の食事代:5万

日本から持ってくれば良かった物

生理痛の薬、変換プラグ

学生生活

留学生活の中で、最も良い思い出、大変だった思い出

大変だった思い出は、期末試験の準備でした。記述式の試験で、日本の大学でもほとんどレポートばかりだったので、かなりストレスになりましたが、終わった時の開放感はすごかったです。

最も良い思い出は、ヨーロッパ女性史のセミナーで自分のリサーチしてきたケーススタディをチューターに褒められたことです。これは半分大変だった思い出でもあるのですが、自分でケーススタディを探してまとめてきてセミナーに持っていっても、あまり手応えがないことも多々あったので、自分でリサーチしてきたものが認められた時は本当に嬉しかったです。

スポーツはしていますか?具体的に教えてください。

自主的に筋トレをするようにしています。

一番の息抜きの方法

大学のキャンパスと寮の行き帰を徒歩で行くこと、カフェでお茶しながら読書をすることです。ニューカッスルの街並みは個人的にとても綺麗で、橋を渡って歴史的な街並みを見るたびに、勉強がんばろう、と思えました。また、中間や期末が終わった時にカフェでお茶を飲みながら読書をするのはとても贅沢な気分になりました。

休み中の過ごし方

部屋の掃除、期末レポートの準備をして過ごします。もしコロナウイルスの感染者数が落ち着けば国内旅行をしたいですが今のところは未定です。

日本の家族、友人との連絡頻度

家族や友達とは月一ほどのペースで連絡をとっていました。母親とは、お互いの近況報告をZOOMでするようにしていました。過去の留学での経験から、無理して一人で頑張りすぎたり、音信不通だと心配をかけると学んだので、連絡は定期的にとるようにしました。友達とは、在籍大学のゼミに関して連絡を取るくらいでした。

コロナ禍での留学において工夫したことなどあれば教えてください。

オンラインのセッションも多かったので、教授に会えない時はメールこまめにして勉強のアドバイスをもらったり、オンラインで文献を探したり勉強面でできることがコロナ禍でもあったので、可能性をいろいろ探してみるようにしました。

寮生活について

ルームメイトとの関係(どのくらい接点がありますか)

大学の寮に滞在しました。5人でキッチンと洗濯機を共同で使っていました。学生が引っ越ししたりと出入りが激しかったのであまり交流はほとんどありませんでした。

食事(カフェテリア、自炊の方法やバランスなど)

基本的に自炊しているので外食することはほとんどありません。基本的に野菜中心のご飯でサラダやスープなど簡単に作れるものでご飯は済ませています。現地のスーパーは野菜やフルーツが比較的安く、日持ちしないお肉やパンはあまり食べません。外食は、週一、二でカフェでお茶したり、週末図書館に行く時は、コーヒーを行く途中で買うぐらいでした。週末やレポートに忙しい時はたまにデリバリーを頼みますが、割高なので頻繁に利用しないように気をつけています。

日本から持っていったノートパソコンの使用頻度や必要性、またどのようなことに使っていたか(授業の課題、リサーチ、音楽、SNS等々)について教えて下さい。

私は、日本から持っていったノートパソコンを一年ずっと使っていました。音楽やSNS目的ではほとんど使いませんでした。授業で使う資料や自分でケーススタディをまとめるのも、自分のパソコンでオンライン図書館にアクセスでき、レポートや課題も自分のパソコンから提出できたので、大学の図書館のパソコンは資料をコピーする時ぐらいのみ使っていました。

大学のサポートセンター(ライティングセンター、チューターなど)は利用しましたか。 利用した場合、勉強を進める上で役に立ちましたか。

大学のサポートセンターやチューターは勉強面では、利用することはありませんでした。

語学力について

留学開始当初と比べ外国語力はどのくらいついたと感じますか?

読み書きに関しては上手くなっていると感じます。

毎週セミナーの宿題で膨大な量の文献を読んだり、レポートを書くので慣れてきたと思います。

語学力上達のために、工夫したこと、努力したこと

リスニング

●苦労した点

ローカルの人が話すスピードやイギリス英語のアクセントになかなか慣れず、聞き返したりしなければならず苦労しました。

●工夫した点

イギリス英語のポッドキャストを聞くようにしてアクセントやスピードに聞き慣れるように工夫しました。

リーディング

●苦労した点

アカデミックな語彙が元々あまりなかったのでわからない単語が多くあり、苦労しました。

●工夫した点

何度も見る単語は辞書で調べてメモを取るように努力しました。

ライティング

●苦労した点

文法とReference にすごく苦労しました。

●工夫した点

友達に自分の書いたパラグラフを見てもらって最低限の文法ミスを教えてもらったり、見直しを徹底するなどしてライティングを練習しました。 Reference に関しては講師や参考書を見てできるだけあやふやにしないように工夫しました。

スピーキング

●苦労した点

セミナーであてられると緊張して焦って言いたいことがうまく言えないことが多々ありました。

●工夫した点

深呼吸して、ゆっくりでいいから自分の言いたいことを簡潔な文ではっきり言うように意識しました。

学部授業①

  • コース番号 :HI5050
  • 授業タイトル:Female experience in Late Medieval and early modern Europe
  • 単位数   :20 UK credit

授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)

各週一、オンライン講義と対面のセミナー。

評価のつけ方(テストの種類、回数、評価の割合など)とそれぞれの結果(点数、グレードなど)

レポート 2回 各50%

授業を通して学んだこと(授業内容)

中世紀末から近代のヨーロッパの大まかな歴史に関して、女性史の目線で、宗教・戦争・政治・経済・魔女狩り、など様々な歴史事項を通して学ぶことができる。また、ペストやイスラム圏との対峙、ユダヤ人との歴史に関しても勉強できる。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

ヨーロッパ全体と広範囲のトピックを大まかに扱った科目だったので、ついていくのがある意味大変でした。しかし、女性がその時代をどう経験したのかを中近代の歴史に関して資料を読むことができ、卒業論文のトピックを考えていく上でとても参考になる科目でした。

学部授業②

  • コース番号 :YC5002
  • 授業タイトル:Academic Language Skills for Arts, Design & Social Sciences
  • 単位数   :Non credit

授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)

セミナー

評価のつけ方(テストの種類、回数、評価の割合など)とそれぞれの結果(点数、グレードなど)

出席回数、プレゼンテーション、試験

授業を通して学んだこと(授業内容)

参考文献の書き方、アカデミックなプレゼンテーションの仕方、アカデミックライティングの基本に関してのレクチャーと演習。

参考文献の書き方やエッセイの書き方に関しては、参照や引用の基本をしっかりカバーすることができた。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

参考文献の書き方やスタイルの違いに戸惑ったけれど、このコースを通してエッセイの書き方に関して少し自信がつきました。オンラインセッションだったので他の留学生と話したり知り合ったりする機会が全くなかったのが少し残念でした。

学部授業③

  • コース番号 :ML5008
  • 授業タイトル:Unilang-Languages for All Option German Stage 2
  • 単位数   :20UK credit

授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)

セミナー

評価のつけ方(テストの種類、回数、評価の割合など)とそれぞれの結果(点数、グレードなど)

出席回数、テスト(前期末、後期中間、後期末)

授業を通して学んだこと(授業内容)

買い物や自己紹介、道案内に必要な基本的なドイツ語。ドイツの文化や歴史などをプレゼンを通して勉強しました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

英語でドイツ語の文法などを勉強しなければいけなかったので最初はついていくのが大変でしたが、次第に慣れてきてわかることが増えていくのが楽しいと感じました。このドイツ語の授業をとっている学生は他の専門科目の学生よりもフレンドリーで話しやすい感じがします。履修している学生の雰囲気がいいので履修して良かったなと思います。

学部授業④

  • コース番号 :HI5014
  • 授業タイトル:From Reconstruction to Reunification: Europe, 1945-1991
  • 単位数   :20 UK credit

授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)

各週一、オンライン講義と対面のセミナー。

評価のつけ方(テストの種類、回数、評価の割合など)とそれぞれの結果(点数、グレードなど)

レポート、記述試験 各50% 

授業を通して学んだこと(授業内容)

第二次世界大戦後のヨーロッパ史を、政治史中心にディスカッションするモジュールで、ロシアのウクライナ侵攻もあり、現代史に関しての理解が深まりました。ヨーロッパ史でも、アメリカやアジアとのつながり、外交史、経済史も交えて資料を読むので、国際関係に関しても歴史的な目線で考えることができました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

戦後史ということで、毎回セミナーの課題を読むたびに現代の情勢を徐々に理解しているようで、歴史のようでそうでないタイムリーな感覚が好きでした。セミナーのディスカッションテーマに答えられるように資料を読むのは、ただ読むだけでは足りないので、少し苦労しました。

学部授業⑤

  • コース番号 :SO 5003
  • 授業タイトル:Contemporary Social Theory
  • 単位数   :20 UK credit

授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)

レクチャー、ワークショップ

評価のつけ方(テストの種類、回数、評価の割合など)とそれぞれの結果(点数、グレードなど)

エッセイ(中間、期末)

授業を通して学んだこと(授業内容)

20世紀から21世紀にかけての社会理論をケーススタディや自分の身の回りのできごとを通して学びました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

現代社会理論はウェーバーやデュルケムなどの古典的な社会理論から「現代」の定義を見直したもので、理論の成り立ちをより身近に感じることができ、とても勉強になりました。私の専攻は社会科学ではないのですが、社会問題を理論を通して理解する過程はヨーロッパ史を社会学的観点から研究するアイディアをくれたので、履修してとてもよかったと思いました。

学部授業を総括して、日本の授業と違う点、留学先国の授業の特色、自分が感じたことなどを自由にお書き下さい。

イギリスの大学は一つの科目に講義・セミナーが割り当たっているので、取る科目は少ないですがその分内容がとても濃いように感じます。そのため、日本の大学の楽単なるものはイギリスの大学には存在しないのでは無いかと思います。それを考えると、口が開くぐらい高いですが授業料も払う意味があると思います。(それでも高いですが…)他の大学と比べることはできませんが、セミナーの準備をしたり、講義を真面目に受けることが当たり前である環境に自分がいることがとても恵まれているなと思います。日本の大学も授業のシステムを改善して一つ一つの科目を幅広く深く学べるようにすれば、学生の大学生活に対する姿勢も変わると思います。

JSAFサポートについて

サポート全体の感想

毎回、自分の書いた定期報告にコメントをいただけて、孤独になりがちなコロナ禍での留学生活中誰かと繋がっている感じがしてとても嬉しかったです。

滞在している寮の寮費に関して、払っているはずなのに請求のメールが来た際、とても迅速に対応していただいてすごく心強かったです、ありがとうございました。

申込から出発までのJSAFによる英語勉強サポート

英語勉強サポートは、派遣先の大学ではどんな英語が使われどんな授業スタイルなのか知ることができ、とても役に立ちました。

出発前オリエンテーション

出発前オリエンテーションはとても役に立ちました。現地での生活に慣れるための心得や、一人で行動する時の注意事項など過信してしまいそうなことを説明してもらえたので、とてもよかったです。

JSAFでは「派遣生からのレポート」を読んでいただいた皆様からの感想をお待ちしております。

感想はこちらまでお願いいたします!