語学力重点プログラム(FLAP)体験談EXPERIENCE

フリンダース大学 2018年春派遣生の声(FLAP) ①

フリンダース大学派遣生 横浜国立大学/教育人間科学部/人間文化課程/4年
2018年3月~2018年12月(約10ヶ月)

 

Flinders 

○学校について

大学キャンパスの設備や雰囲気はどうでしたか。

大学は丘の上にあり、とても見晴らしが良いです。設備もよく整っており、大学内では無料の飲食品や筆記用具等を配っていることもありました。正式な学生と同じ学生証を発行してもらえるので、学校内の施設は自由に利用できます。大学の敷地が非常に広く、語学学生が授業を行うのはスタートキャンパス(メインキャンパスから徒歩20分、敷地内の最も北側)なので、メインキャンパスや中央図書館(敷地内の中央付近)に徒歩で行く際は時間に余裕をみておく必要があります。一応大学敷地内をループバスが走っていますが、時間に遅れることも多いため、徒歩でメインの方へ行っている人が多かったように感じます。

 

大学のある街・周辺の環境はどうでしたか。

アデレードは想像していたよりも小さく、静かで安全な街でした。とにかく自然が豊かで、街の西側にはとても綺麗なビーチが無数にあり、東側には壮大な牧場やブドウ畑が広がっています。先に述べた通り、大学は小高い丘の上にあるので、周辺には特にお店などはありません。買い物をする際には、基本的に大学からバスで10分の所にあるマリオンショッピングセンター(アデレードで一番大きなショッピングモール)か、バスで20分の位置にあるシティ(ランドルモールやチャイナタウン、セントラルマーケットなど)に行きます。飲食店や土産物屋を除く大体のお店が5時に閉まってしまうことがやや不便ですが、スーパーや飲食店には日本と似たものも多く売っているので、特別生活に困ることはないと思います。

 

キャンパス内外の治安について、教えてください。

アデレードの治安に関しては、海外にしてはかなり良い方だと思います。都会ではないぶん夜に道が真っ暗なのはやや気になりましたが、身の危険を感じたことはほとんどありませんでした。ただし、金曜の夜に関してはシティへ飲みに出る人が多く、ヒンドリーストリート(シティ内にある飲屋・クラブ街)は現地の方でもあまり近づかないようでした。大学内の治安も非常によく、危険に巻き込まれたことは一度もありませんでした。一つだけ注意する必要があるのは、深夜には学校の生徒ではない方々が校内で寝たり集まったりしていることがあるという点です。学校の施設が24時間空いているため、テスト前の勉強には非常に便利ですが、深夜まで学校にいることはあまりおすすめはしません。

 

現地学生や留学生とは、どのように交流しましたか。

語学学校に来ている外国人は皆友達を作ることに積極的なので、こちらから話しかけたら大抵の場合あたたかく受け答えしてくれます。特にアジア圏からの留学生は文化も似ていて話があう分、すぐに友達になることができます。難しいのは、現地の学生と交流することです。先にも述べた通り、語学学生が勉強するのは大學敷地内のはずれにあるスタートキャンパスです。そのため、こちらからアクションを起こすことが、現地の方と関わる際に大切です。

 

課外活動には参加しましたか? 参加した場合は、内容や感想を教えてください。

日本フェスティバルというお祭りにおいて、来客者の誘導や案内をするボランティアをやりました。また、フリンダース大学にあるJCC(Japanese Culture Club)にも参加しました。JCCは、現地の学生と話す機会としてはとても素晴らしかったですし、日本に興味のある学生ばかりなのでとても話しやすかったです。加えて、ポートアデレードにあるサッカーのクラブチームの一員として、週に四回サッカーをしていました。当初はフリンダース大学のサッカーチームにいましたが、試合をした際にクラブチームからお誘いを受け、5月からそちらでプレーしました。

 

学校スタッフについて、教えてください。

大抵の講師の方やフロントスタッフは4時までが勤務時間なので、何か伝えたい事がある場合にはそれ以前に行くことをお勧めします。

 

担当の教師について、教えてください。

何人か、やや教え方に難がある先生はいらっしゃいましたが、基本的には良い先生ばかりです。万が一苦手な先生に当たってしまっても、学長に話せばクラスを変えてもらえますし、セッション末にある講師評価アンケートで授業への要望等を伝えることもできるので特に心配はいらないと思います。DonnaとDesという二人の先生は、授業のクオリティが非常に高いだけでなく、個々人に合ったアドバイスや補修をしてくれるのでとても素晴らしかったです。

 

授業では、どんな教材を使いましたか。

先生が配るプリントを使う事がほとんどです。よくある文法書の内容に、先生がコメントを付け加えていくスタイルが多いです。ジェネラルクラスでは日常的な英語を学ぶので、リーディングのクラスでは小説や新聞記事を読んだりしました。リスニングでは、映画を見ることも多いです。 それに対しアカデミッククラスでは、大学に入るための知識を学ぶので、論文を読んだり、ノートをとったり、エッセイを書いたりする練習が多いです。

 

学校のおすすめポイントを教えてください。 また、どんな方にこの学校での留学をおすすめしたいですか。

キャンパスの施設を利用できる点は、他の語学学校にはあまりない良いポイントだと思います。また、バトミントンや野球、剣道、JCCなど、日本人でも入って行きやすいフリンダース大学のクラブも多くあるので、意欲さえあれば現地の友達を作ることも可能です。この学校はライティングに関する指導がとてもいいように感じたので、ライティング能力を伸ばしたい方にはお勧めします。ただし、日本人をはじめとするアジア人が非常に多いので、英会話を練習したい方は学校外での自主的な行動が大切です。

 


○授業について

面白かった授業とその内容

授業名:communication 7b

理由・内容:裁判所、保護公園、フードバンク等、実際にフィールドに出て担当者の方とコミュニケーションをとったりしました。英語の練習になるだけではなく、新たな知識や発見もたくさんありとても楽しかったです。

 

頑張った授業とその内容

授業名:reading &writing 5b

理由・内容:最初の授業ということもあり、周りについて行くのに必死でした。HWがとても多い先生で、毎日文法のHW、リーディングのHW、小説のHW、ディスカッション用のHWが出されました。とても大変でしたが、一番ためになった授業だったと思います。

苦労した授業とその内容

授業名:communication5b

理由・内容:スピーキングが最も苦手だったため、プレゼンや即興での発表が多かった5bの授業が一番大変でした。詰まってしまうことも多かったですか、定型表現を覚えることで次第にスムーズに発表できるようになりました。

 

現地での授業を総括して、日本の授業と違うと感じた点、留学先国の授業の特色、自分が感じたことなどを教えてください。

日本の授業に比べて、参加してする姿勢が強く求められています。間違えることより、黙り込むことに対して強く注意されます。また、先生方はとても親身で、授業内だけではなく授業外でも積極的に学生と関わってくれます。1対1での補習はもちろん、先生の家でのホームパーティーに誘ってくれたり、グラウンドで一緒にスポーツを楽しんだりしてくれます。


○英語力について

英語力向上させる上で苦労した点はどのような点ですか? また、ご自身で工夫した点はどのようなところですか?

<リスニング>

苦労した点:

よく「リスニングは耳が慣れるから大丈夫」という話を聞くことがありますが、それは迷信だと思いました。確かに、非ネイティブ同士での英会話や、ネイティブの方が繰り返し使う慣用表現は、1ヶ月もあれば十分聞き取れるようになります。しかし、ネイティブ同士で話すようなスピード・言葉遣いの会話を聞き取るのは、非常に難しいと感じました。個人的には、リスニングが一番伸びなかったように感じます。

工夫した点:

とにかくネイティブの人とたくさん話すことです。語学学校の友達と話すのも良いですが、基本的に語学学校の人は私たちと同じ英語学習者なので、間違った表現や発音を話していることも多々あります。そのため、大変なことではありますが、現地の友達をいかに多く作れるかがリスニングを伸ばす鍵だと思いました。

 

<スピーキング>

苦労した点:

発音です。ある程度よく使う表現は、半年くらいで自然に出てくるようになりますが、発音は未だに不完全です。単語を知っていても、発音に自信がないから使えない、なんてこともよくありました。

工夫した点:

発音に自信がない単語は、先生やネイティヴの方との会話の中で意図的に多く使ってみたりしました。その中で「これは理解されなかった」「今のは聞き取ってもらえた」などと相手の反応を伺い、理解されやすい発音を探しました。

 

<ライティング>

苦労した点:

早く正確に書くことです。

工夫した点:

ライティングは最も力がのびた分野だと思います。単純に一定時間内で書ける量が増えただけではなく、文法のミスがかなり減ったように思います。工夫したのは、とにかく有用な表現をたくさん覚えたことです。

 

<リーディング>

苦労した点:

知らない単語がほぼ無限に出てくることです。また、単語の意味はわかっても、分詞構文や倒置が使われているために咄嗟に理解できないことも多々ありました。

工夫した点:

リーディングは読んだ量がものを言うと思いました。とにかく色々な種類の文章をたくさん読み、同時に単語帳で単語の学習をしました。

 

1日の勉強時間と勉強場所(宿題など)

基本的には、スタートキャンパスにあるスタート図書館や、メインキャンパスにある中央図書館で勉強していました。どちらの図書館にもパソコンがあるので、ライティングはパソコンですることができます。また、スタートキャンパスには、空き教室や防音設備のついた部屋(スタート図書館3F)がいくつかあるので、スピーキングやプレゼンの練習はそこでしていました。

 

勉強するのに役立つ教材や方法など

基本的には先生が授業内で配ってくれるプリントだけで十分です。新しい教材を闇雲に買ってしまうより、授業で扱った内容を100%完璧にする方がいいと感じましたし、そうするだけでも十分時間がかかる大変な作業だと思います。ただし、単語帳に関しては一つ持っていると便利だと感じました。また、IELTSの教材は語学学校にも豊富にありますが、TOEICに関しては全くないので、帰国後TOEICの受験を考えている人は予め日本から持参した方が良いと思います。

 

留学開始当初と比べ英語力はどのくらいついたと感じますか?

自分が想像していたよりは付いていないように感じますが、それでも留学前に比べたらだいぶマシにはなったかなと感じています。理由は、実感があると言うよりは、数字などであらわれているからです。例えばライティングに関しては20分間で書ける量がA4で1.5枚分くらい増えましたし、代わりにミスの数は5分の1位になりました。また、TOEICに関しても、留学以前より160点上がりました。

 

プログラム終了後の英語力

留学開始から約半年が過ぎた9月にオーストラリアでTOEICを受験しました。留学前は740点でしたが、9月に受けたTOEICでは900点になりました。就活終了後にもう一度受けてみたいと思っています。


○学校生活について

友達やクラスメイトとの交友関係、付き合い方を教えて下さい。

どこかに出かけたり外食したりすることはもちろん、自宅でパーティをしたりキャンプに行ったりもしました。また、現地の学生とも定期的に遊びにいくよう心がけました。

 

留学生活の中で、最も良い思い出、大変だった思い出をそれぞれ教えて下さい。

良い思い出:

入ったクラブチームで、シーズンの優秀選手、そしてリーグでの優秀選手になれた事です。

大変だった思い出:

ホストファザーの英語が、オーストラリア訛りが強い上にとても早口で、なかなか聞き取れなかった事です。

 

一番の息抜きの方法は何でしたか。

海に行って夕日を見る事です。アデレードは本当に綺麗なビーチが近場にいくつもあるので、リフレッシュしたいときはよく行っていました。

 

ホームステイについて

通学時間:40 分(バス30分乗り換え1回& 徒歩10分)

通学費:(1か月)$49

滞在環境について:ホストファミリーはザ・オーストラリアという感じで、とても明るくてファンキーな家族でした。家はとても大きく、プールやバー、ビリヤード代、スクリーンなどが家にあり、週末にはほぼ毎週パーティーをしていました。家族は、出発前にはマザー、ファザー、息子さんの三人構成だと伺っていましたが、実際には息子さん二人とそのガールフレンド二人、グランドマザーも住んでおり、ネイティブ7人の大家族でした。

 

ホストファミリーとの生活はいかがでしたか?楽しかったこと、苦労したことなど教えてください。

自宅でパーティーを開いている事が多い分、勉強は自宅ではあまりできませんでした。そのため、ホストファミリーとたくさん話したくても、宿題は図書館でやらなくてはいけないので帰りが遅くなるケースも多かったです。また、ネイティブ7人の家族の中に急に入っていくのも、最初は大変でした。それでも、全体的に見たらとても良いホームステイ先だったと思います。

 

食事はどのようにとっていましたか

朝ごはんは、フルーツやシリアル、ヨーグルトを食べていました。基本的にそれらは自由に食べてよかったので、毎日自分の気分で決めていました。 昼ごはんは一年間毎日同じサンドイッチだったので、途中から食べるのがややしんどくなりました。マザーに言おうとも思ったのですが、息子二人も全く同じものを毎日食べているようだったので、やや言いづらかったです。たまにカフェテリアでおかずや違うご飯を買い、食べていました。夜ご飯はとても豪華な上に量も多く、食後にはアイスやビールまでくれました。

 

生活費(月のお小遣い)はどのくらいでしたか。

3-4万円程度だったと思います。

 

日本から持ってくれば良かった物

英語の教材、カメラ、ルーズリーフ(オーストラリアの紙はとても薄いので)

 

渡航前に日本で準備しておけば良かった点

スピーキングの練習、特に発音

 

日本の家族、友達とはどのくらいの頻度で、どのように連絡をとっていましたか。

家族は月に3回程度、 友達は月一回程度  基本的にはLINEで、稀に電話


○留学生活全体を振り返って

今回の留学の目的は何でしたか。

・就職活動だけではなく、海外の友人と話すときや海外に旅行する際に困らない程度の英語力をつける事。

・TOEICで900点以上取る事

 

上記の目的は達成されましたか。

・英会話は7割達成程度なので、まだ頑張りたいです。

・TOEICは一応達成しました。

 

留学を通して身に付いた、成長したと感じる点はどんなところですか。

自分から動く姿勢です。大げさに行ってしまえば、二つのことに迷ったら両方やってしまおうと思うくらい、やりたい事ややるべき事には自ら取り組んでいく姿勢が身についたと思います。

 

留学先の国、大学について、出発前と考え方やイメージが変わった点はありますか。

出発前は、一年間留学していたらネイティブとわたりあえるくらいの英語力がつくと思っていましたが、現実はそこまで甘くありませんでした。しかし冷静に考えてみれば、私たちも日本語を身につけるのに10年近くかかっているわけですから、いまの英語が完璧でないことを機に病む必要もないと感じました。だからこそ、これからも継続的に英語を勉強していく事が大切だと感じています。

 

これからの目標、進路についてはどのように考えていますか。

とりあえず今は、より良い仕事を見つける事に集中しています。自分は主にメーカーへの就職を希望しているので、早く見つけられるように努力したいです。

 

同じ留学先へ留学する後輩へのメッセージ、知っておいた方がよいことを教えてください。

想像より日本人が多いということは、覚悟した上で行った方がいいと思います。とはいえ、いまの時代どこへ行ってもアジア人が多いのは同じだと思いますし、勉強する環境としてはとても良い大学であることは間違いないので、強い覚悟を持って取り組めば確実に英語力を伸ばすことはできると思います。フリンダース大学付属語学学校では、入学時に英語力を図るテストを行い、その点に応じてクラス分けが決められます。当然、良いクラスに入れば入るほど日本人をはじめとするアジアの人の割合は減っていきます。だからこそ、留学前からいいクラスに入るための勉強をする事が、この語学学校で最大限に英語力を伸ばすための鍵です。

 

上記の質問以外で留学を通しての現在の思いについて自由に書いてください。

悩みも多かったですが、濃い一年を過ごす事ができ、とても満足しています。また機会があれば、就活後などにまた短期留学をしたいと思います。

 

JSAFのサポートについて

何か問題や質問があった際に連絡をさせていただくと、いつもとても丁寧に対応してくださったのが印象的でした。手続き等に関しても予め手順やコツを教えてくださったので、それらに気を使うことなく勉強だけに集中する事ができました。いつもご丁寧な対応をしてくださり、本当にありがとうございました。

 

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