JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE

神戸市外国語大学外国語学部英米学科3年

  • 留学先 :アムステルダム自由大学
  • 留学時期:2024年秋派遣
  • 留学期間:2024年8月~2025年5月予定

留学が始まり数か月が経ちました。現地での生活も慣れてきた頃かと思います。 到着後から現在までどのようなスキルが身につきましたか?これが上達した!ということを教えてください。

自分の英語力に劣等感を感じすぎることが減ったなと感じています。それによって自分から話しかけたり、友達と話している時に申し訳なさを感じずに話したりすることができるようになったと思います。
また、英語の勉強をするにあたって、オランダを選んだことも私にとって正解だったと感じました。オランダではたいていどこでもどの年代の人にも英語が通じますが、公用語はもちろんオランダ語です。つまりどの人も第二言語を習得する難しさを理解してくれています。移民大国ということもあり、オランダ人だけでなく様々な国の人の英語を聞くことも多いです。そんな環境なので、英語の未熟さによって居心地の悪い思いをしたことは一切ありませんし、正解の言語という概念ではなく、私なりの英語を聞き取ろうとしてくれる人ばかりです。他人からの批判に弱い私にとっては最適の場所であったと実感しています。

大学について

学生同士の交流・友人関係について教えてください

現地の学生:バディプログラムでペアになったオランダ人学生、その友達、同じ授業を取っている学生

他の国からの留学生:同じ授業を取っている学生、同じグループワークの学生

日本人:同じ授業を取っている交換留学生、イベントや学内で話しかけられた正規生

大学のある街について

どんなところですか:首都アムステルダムの中心地から少し南に離れてはいますが、交通機関や飲食店など利便性の高い、都会に位置している大学です。

ダウンタウンまでのアクセス:路面電車やメトロを使って15分から20分ほどでアムステルダム中心に行くことができます。

お薦めスポット:大学からトラムで15分ほどの飲食店エリア。日本食レストランや抹茶のカフェなどがたくさん集まっています。

その他:少々値段は張りますが、ラーメンなどの日本食レストランがどのエリアにもあり、制覇したいと思っています。

初日のオリエンテーションは分かりやすかったですか

文化に関することや勉強面など、留学生が直面しがちな幅広い問題についてのオリエンテーション内容で、分かりやすく今でも役に立っている内容が多くあります。具体的には、他国民に比べてかなり直接的なオランダ人のコミュニケーションの取り方や、教授の課題に対するフィードバックの特徴、成績評価の受け取り方などがありました。

寮(ホームステイ)生活/ルームメイトについて

ルームメイトとの関係

各部屋に台所やシャワー室などはついているため、同じ建物に住んでいる学生との交流はなかなかありません。学生以外の世帯も住んでおり、同じ建物に住んでいるからという理由で仲良くなる人は少ないように感じます。そこで開催されているイベントなどに参加すれば交流する機会があります。

食事

昼食はカフェテリアを利用しています。夕食はたいてい自炊をしています。

課外活動についてお書きください。

休み中の過ごし方について教えてください。

・リーディングの課題
・アムステルダム中心地で友達とご飯を食べに行ったり、ショッピングやカフェ巡りをしたりする。

留学先に持って行ってよかったもの、持っていけばよかったもの、不要だったものなどあれば教えてください。

持って行けばよかったもの:電子レンジでお米を炊く事ができるタッパー

到着後すぐに購入が必要だったもの:生活雑貨(ゴミ箱、ベッドシーツなどのリネン、掃除用品、食器類など)

渡航前に日本で準備しておけば良かった点:特に後悔していることはありませんが、日本の文化を説明する練習はどれだけしていても困らないと思います。

生活費(月のお小遣い)はどのくらいですか。

約300€(旅行代などを除く)

学部授業①

  • コース番号 :S_ICS
  • 授業タイトル:Introduction to Communication Science
  • 単位数   :6

評価のつけ方

Two individual digital exams 90%
Weekly preparatory tests 個人 5%
Weekly preparatory tests グループ 5%

授業を通して学んだこと(授業内容)

Communication Scienceにおける様々な理論。毎授業コミュニケーション学で提唱される、agenda setting theory, uncertainty reduction theoryなどの理論を学習しました。どういう状況だと説得されやすいのか、初めての人と話すときはどのような傾向があるのか、社会的文化的グループが私たちの物事の認識にどのような影響を与えているのか等、コミュニケーションという言葉ではすべて表すことが難しい幅広い事柄について学びました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

一つ一つの理論を学ぶことは、学ぶにつれて新たな考え方を得ることができ、勉強するのがとても楽しかったです。コミュニケーションという私たちが毎日することについての学問なので、日常生活で当てはめることが比較的容易でこう言ったときに理論が証明されているなと感じることもあり、私たちが経験したことを理論にあてはめて分析するというグループワークの課題を楽しく行うことができました。
ただ、一つ一つの理論を順番に習っていく過程で、自分の頭の中で関連を考えたり派生して考えたりすることをしないと退屈な授業になってしまうなとも感じました。また、文献を読み、自分の中で整理、理解するだけで成績はとれてしまうので、他の学生を議論する機会はあまり多くありませんでした。

学部授業②

  • コース番号 :S_ME
  • 授業タイトル:Media Entertainment
  • 単位数   :6

評価のつけ方

Written examination 60%
Assignment 1 (group) 10%
Assignment 2 (group) 15%
Assignment 3 (duo) 15%

授業を通して学んだこと(授業内容)

エンターテインメントとしてメディアを楽しむことに関しての学問的な側面。人々が明るいもしくは悲しい映画を見るのはどうしてなのか、人々は何を目的としてメディアを消費するのか。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

普段音楽を聴いたりドラマを見たりといったことを深く考えずに行っていますが、それを理論的に考えるということが新鮮で、講義を聞いた後になぜ自分は今この音楽を欲しがっているのだろうということを考えられるようになったことが楽しく感じました。自分でグループメンバーを動かずことができず、group assignmentには苦労しました。また、毎回のリーディングの量が多く、タイムマネジメントも大変でした。

学部授業③

  • コース番号 :S_MSP
  • 授業タイトル:Media, Society and Politics
  • 単位数   :6

評価のつけ方

Final digital exam 80%
Debate assignment (traintool exercises, debate cards, debate participation, jury essay) 20%

授業を通して学んだこと(授業内容)

メディアが私たちの政治に関する考え方にどのような影響を与えているのか。政治家が持つ力は、メディアにおける力と同じであると言える。報道されるニュースはすべてバイアスがかっている。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など

この科目は、講義、セミナーで行うディベートともにとても苦労しました。政治学を日本でも触れたことがなく、アメリカの選挙に関する話を中心に講義が進んでいくときは、前提となる知識が欠けていて、理解が難しい部分が多くありました。ディベートも、グループ内での自分の役割は果たせましたが、自分たちのチームが勝つことはできず、説得力のある議論、主張の仕方の難しさを感じました。

語学力について

留学開始当初と比べ外国語力はどのくらいついたと感じますか?

伸びていると思います。正確にいうと英語の技術的に大きくは変わっていないかもしれませんが、自分の英語を話すことに抵抗がなくなってより深く他の人と話せるようになり、その中で少しずつ改善されているように感じます。来てすぐに知り合った日本以外の国からの留学生が、最初よりたくさん話すようになったと最近言ってくれました。

語学力上達のために、工夫したこと、努力したこと

リスニング

苦労した点:インド人やスペイン人の英語は聞きにくく感じ、苦労しました。また話すスピードが速い教授もいて、授業についていくのが大変でした。

工夫した点:学生同士で話すときは、無理に聞き取れているふりをするのではなく、聞き取れなかった時は何と言ったのか聞くようにし、その人の英語の特徴を掴めるように意識しました。聞き取りにくい教授の講義中は、スライドやリーディングアサインメントの内容と照らし合わせながら、教授が何を伝えたいのかをおおざっぱに掴もうという意識で取り組みました。

スピーキング

苦労した点:ディベートや、グループワークの話し合いで意見を伝えることが難しく感じました。

工夫した点:まず日本語に置き換えても自分の意見を言うことができていないなと気づいたので、自分の頭の中で日本語でも英語でも考えをまとめることを練習しました。

リーディング

苦労した点:量と、理解度に苦労しました。毎回のリーディングがかなりあるのですが、それをただこなすだけだとやはり頭に入っていなくて、講義中に理解が追い付かないことがありました。

工夫した点:要約機能を使った上で、読んだ内容を自分の言葉で書き換えることを行いました。

ライティング

苦労した点:アカデミックな書き方にすることに苦労しました。細かい単語の使い方や文章構造など、他の学生と比べて私の英語が幼稚に感じることがありました。

工夫した点:教授が推奨していたこともあり、生成系AIの書き換え機能をうまく利用して、語彙のブラッシュアップをしてから、自分が作成したものと比較することでレベルをあげられるようにしました。

最終学期に向けての目標

他の学生と英語で話し合いができるようになることが目標です。通常の授業に加えて、すべての学生が受けることができるエキストラのコースに登録したので、そのコースを利用して話す機会を多く取りたいと思っています。また、日本に帰っても連絡が取れるような友人関係を築けるように積極的に話しかけることを頑張りたいと思います。

日本にいた時もそうですが、自分がどう思われるかを気にして自分の意見や考えていることを発することに抵抗を感じていることがあったので、少しでもその殻を破れるように頑張りたいです。これまで過ごしてきた中で、個人が否定されることのないオープンな文化であることを十分に感じたので、自己主張という部分にフォーカスして、授業も授業以外の遊びも、時間を無駄にすることなく励みたいと思います。

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