新規協定大学派遣生現地レポートREPORT

アーケイディア大学/Arcadia University ‘17年秋派遣生体験談

津田塾大学 学芸学部(2017年秋 / アーケイディア大学派遣生)
到着直後レポート

1)現地到着後の様子について教えてください。

アメリカ到着時はさすがに日本人が多く、まだ海外にいることが信じられないでいたのですが、乗り継ぎのデトロイト空港からフィラデルフィア空港までは日本人は私1人だけで、「ああ、ここはやっぱり海外なんだ」と、言いようのない不安を感じていました。とはいいながら、空港でお土産物屋さんを見て回ったり、ちょっとした観光も楽しんでいました。

空港に着いてまずは両親に連絡しようとしたのですが、最初国際電話のかけ方がわからず、かなり慌ててしまいました…。それからは出迎えのIPAL(国際交流スタッフ)の学生を少し待つこととなり、30分程度待たされましたが、手書きの日本の旗に私の名前が書いてあるのを見た時は感極まりました。

ハイウェイを酔いそうになるほど乗用車で飛ばして30分強、ようやく着いたキャンパスはまるで中世のお城のようでした。それこそまるでハリーポッターの世界にでも迷い込んだような…その日は近場の24/7のレストランに連れて行ってもらい、ホットココアを飲んで眠りにつきました。寮の部屋も快適で何よりでした。

2)留学後の大学やその周辺の環境について教えてください。

留学先の大学は緑が多く、広々として綺麗なキャンパスです。アメリカとしては小規模の大学ということもあってか見知った顔に出会うことも多く、アットホームで暖かな雰囲気があります。また、留学生に対しても理解のある学生が多く、心遣いを受けることもままあります。

周辺の環境は住宅が立ち並ぶ田舎町と言ったところにあります。比較的買い物にも便利で、歩いて10分程で簡単な野菜店やちょっとしたコンビニがあるので、日常の買い物にさほど不便はありません。そこから10分ほどさらに歩けば小さな田舎町があり、殆どの食料はそこの雑貨店で調達できます。交通機関も発達しており、バスを使えばウォルマートやターゲットなどの大型スーパーにも容易に行けますし、電車を使えば30分程でPAの大都市・フィラデルフィアにも行けます。

3)寮生活について教えてください。

アメリカでは寮生活が日本よりもポピュラーなせいか、そのマニュアルはかなりしっかりしていた気がします。たとえば、ルームメイトを一番の親友と思わないこと。これは正しくその通りだと思いますし、他にも睡眠時間や騒音の程度、部屋の綺麗さなどを各自で話し合うよう指示があり、これらはいずれも寮生活で揉める最たる原因であると日本でも感じていたので、すごいなあと感心した覚えがあります。

肝心のルームメイトですが、私は中国人のルームメイトと居室を共にしています。彼女もまた英語母語話者ではありませんが、13年もの間アメリカに住んでいたためネイティブとさして変わらないレベルで、会話する時も未だによく聞き返してしまいます。ただ、生活スタイルはやはり同じアジア圏内であるせいか、さほどカルチャーショックを感じるような事はいまのところなく、レジデンスアシスタントの采配が良かったのだろうなと感じています。余談ですが、彼女は日本のアニメ「名探偵コナン」が好きなようで、日本にはミュージアムがあるよ、と話したら「行かなきゃ」と真剣な顔つきで呟いたので、ひょっとしたら彼女を日本に迎える日が来るかも知れません。

4)オリエンテーションの様子について教えてください。

国際留学生同士のオリエンテーションでまず一番驚いたのが、英語母語話者のあまりに多いこと。スコットランドにインド、イギリス…ってそれ、みんな英語母語話者やーん!と、軽くノリツッコミをいれたくなる程に皆ペラペラで、私ひとり何を言っているのか全くついていけず「アッアッ」とさながらカオナシの如くあたふたしていました。不幸中の幸いだったのは、みんな気さくで面倒見のいい性格だった事。何を話しているのか翻訳してくれたり、私に話を振ってくれたり、遊びに誘ってくれたり、部屋の家具を動かすのを手伝ってくれたり…。ずっとThank youしか言ってなかった気がします。

現地学生とのオリエンテーションは小グループに分かれて5日間ほど行われました。アイスブレーキングでじゃんけんやちょっとしたゲームなどを行ったり、とても楽しかったのですが、中でも一番印象深かったのは、オリエンテーションの一環でフィラデルフィアに電車で日帰り旅行に出かけたことです。チャイナタウンやワシントンスクエア、リーディングマーケットやインディペンデンスホールなど、様々な場所にグループで出掛け、大変楽しい1日を過ごすことが出来ました。グループのメンバーとはすっかり打ち解け、UNOに興じたりする仲となりました。

5)到着後に一番驚いたこと

まずは悪い意味で驚いたことから。こちらでは雨が降ってもほとんどの人が傘を差しません。雨が降ったら車移動か、出歩かないのが基本のようです。もしくはパーカーのフードを被るか。折りたたみ傘を普段から持ち歩いてると言うと、かなり驚かれました。次にお風呂。トイレに併設されたシャワールームが基本なので非常に不便です。こればかりは日本の浴槽風呂が恋しくなります。

次にいい意味で驚いたこと。アメリカの文化ゆえなのか、はたまた大学というアカデミックな空間ゆえなのか、人と人とが「違っている」ことが当たり前とされています。それはファッションにしてもそうだし、考え方一つとってもそうですし。それゆえ言葉が通じない時も、一から手取り足取りということは無く、自力で何とかすることが求められます。そして助けを求められたらちゃんと助けてくれます。むしろその点は島国根性で右へならえの日本人より分かりやすいのでは、と思ったくらいです。あと、お店での対応。必ず話しかけてくるし、お客さんと店員の距離が非常に近いです。もちろん、一日にさばく人の数が日本の比ではない、というのが一番の違いなのかも知れませんが…。

6)日本から持って来ればよかったもの

・割り箸orお箸
オリエンテーション期間中はなかなかInternational Marketに行く機会などもなく、生活に慣れてきたからも自室で食事を取る際についついフォークだと物足りなく感じます。フォークでも代用可だからと甘く考えていたのが悔やまれます。日本人の性ですね。

・文房具類
これはAmazon globalなどで買えないことはないのですが、日本の文房具の良質さ(100均であっても)は素晴らしかったのだと、アメリカの100均を見て思い知りました。思ってたよりも品ぞろえが悪くてビックリです。日本の文房具の多様さを思い知りました…。ノートやクリアファイル類はかなり持ってきていたので助かりましたが、ペン類が意外と現地に種類がないので、ある程度多めに持ってきておいた方がいいのかもと感じました。

・体操着類
ジム通いのために日本で安いのを購入しておいたら寝間着用にも使えるので便利かもしれません。ジャージ類でもいいかも。

7)日本から持ってくる必要がなかったもの

・物干しハンガー
意外と使っていません。ルームメイトについ遠慮してしまっていて…。ただ、やはり洗濯機も乾燥機も日本のそれと比べかなり荒っぽいので、いずれこれを使う時が来るかも知れません。ただアメリカでも近くのスーパーで簡単に買えたので、わざわざ持ってくる必要は無かったかなと思います。西部だとまた別かも知れませんね。

8)日本から持ってきてよかったもの

・日本のお菓子類
かなりウケがよく、現地の学生の言葉がチンプンカンプンのうちはとりあえずお菓子ばらまいて話題作りに努めていました。笑今でも話題に困るとよくハイチュウ配ったりしています。コミュニケーションに困ると日本でもよく使っていた手だったり。ハイチュウ(かなり知名度が高い)と抹茶味(甘い目のものがベター)のチョコ類などオススメです。

・洗濯ネット
結構知っている方も多いと思いますので説明は割愛。

・サンダル(シャワールーム・トイレ用)
アメリカはシャワールームに足ふきマットがないので、濡れた足で部屋に戻らねばなりません。かと言って体を拭くタオルで足の裏を拭くのはちょっと不衛生。というわけで、シャワールーム用にビーチサンダルを送ってもらいました。結構重宝しています。バスマットはウォルマートなどで簡単に買えますが、気になる方は早めに送ってもらうなどしても良いかもしれません。

9)語学研修が始まったかと思います。現時点での感想を教えてください。

非常に小規模(各クラス約5-6人)で、みっちりしごかれながら授業を受けています。なかなかハードですが、学部授業の方と比べると少し楽なのかも知れません。そのうちArcadia Universityの学部に留学予定の学生は私を含め5人程です。その中でも中国人、タイ人、イタリア人、サウジアラビア人など多種多様な人々が集っています。特筆すべきは殆どが社会人であること。家庭のある人も多く、色々な意味で刺激になる日々を送っています。先日は早くもスピーチを1回、エッセイをひとつ提出しました。現地の学生に校正を手伝ってもらったことが非常に有難かったです。

また過日、現地にいる1名の日本人教授とコンタクトを取ることに成功しました。彼女はArcadia Universityで日本語を教えており、現在はPAに自宅を構えて暮らしているそうです。非常に気さくな方で現地の生徒からの受けも良いようです。今度彼女の車で買い物や食事に連れていってもらう予定です。また、彼女はアメリカ暮らしが長いとのことで様々なな生活雑貨を多く持っており、親切にも余分があれば貸してくださると仰っていました。