新規協定大学派遣生現地レポートREPORT

ワシントン大学/University of Washington ‘16年秋派遣生体験談

○到着後から現在までのことについて教えてください。

(1)渡航前に日本で準備しておけば良かった点
英語力、特にreading 私は日本語でも読むのが遅いので英語だと特に苦労しています

(2)日本から持ってくれば良かった物
サトウのごはん、履きやすい靴下、生理用品、薬(予想より消費しました)

(3)生活費(月のお小遣い)はどのくらいですか
2万円程度(旅行に行くともっと高いです)

○大学について

(1)大学キャンパスの設備、雰囲気
ワシントン大学はアメリカ西海岸で最古最大級のキャンパスです、それゆえ私が一番苦労しているのが授業間の移動です。学生5万人が一気に教室移動を開始するので今まで味わったことのない大学の”規模感“を常に身をもって体験しています。雰囲気は歴史的な建造物の中、自然が沢山あるので凄く落ち着きます。既にここを去るのが寂しいです。

(2)学生同士の交流・友人関係について教えてくださ

■現地の学生:
FIUTS というUWの委員会に入っており、またAmnesty Internationalという学生団体にも属しているので教室外でも現地の学生との交流を図っています。またHost familyを通じて沢山輪を広げています。UW Language Exchange Programにも登録し、日本語をサポートする代わりに現地の学生から生の英語を学んでいます。

■他の国からの留学生:
FIUTSではFacilitatorとして活動しているので、他国からの留学生を楽しませるイベントを企画しています。そこでは世界各国からの学生と一般的な会話だけでなく、政治や経済の問題、人権問題についても討議しています。

(3)大学のある街について

■どんなところですか:
Seattleのdowntownからは20分くらいのところで、ワシントン大学が中心となって成り立っている“University District” という大きな街です。人々は皆(大学のチームカラーである)紫を身にまとい、常に「ああこの大学はSeattle全体に支えられて、そして一方で大学がSeattleを支えているのだな」と感じます。今でもやはりワシントン大学には入れた事が凄く嬉しく、初心を忘れていません。

■ダウンタウンまでのアクセス:
バス1本で20分程度です。LINKでは15分位で着きます。

■お薦めスポット:
Kerry Park, University of Washington Suzzallo Library, Mount Rainier

(4)キャンパス内外の治安はいかがですか

■キャンパス内:とても安全です。

○英語力についてお書きください。

(1)英語力は伸びていると感じますか
自分ではあまり分からないのですが、アメリカ人の友人からは「凄く伸びているよ」と言われます。学校だけでなく課外活動やHost familyとの生活を通じて様々な面から成長していることを祈ります。ただReadingのスピードは確実に伸びました。

<リスニング>
●苦労した点
最初にstay先に着いて家族の会話を聞いたとき65%位しかわからず、やはり授業の英語と生の生活の中の英語は異なるな…と結構苦労しましたが今は家族の英語が一番聞きやすいです。
●工夫した点
様々な国からの留学生と敢えて触れ合うことで、違う英語、異なるスピードにも対応できるようにしました。ただいまだにイギリス人とインド人の英語はなかなか難しいです。

<スピーキング>
●苦労した点
とりあえず「Just say it」という精神のもと何でもいいので喋るようにしています。文法や発音が気になるようであれば周りのアメリカ人に「ちょっと聞いていて!間違いあったら直してね」とあらかじめ言っておきました。

<リーディング>
●苦労した点
日本語でもものすごく読むのが遅いので人の10倍位苦労しています。幼い頃に戻れるのなら、読書を趣味にしたいです。毎日の90ページ程度のReadingには本当に苦しめられました。
●工夫した点
とにかく読むしかないです、又JSAFのスタッフの方が開催して下さった「Reading攻略会」でのアドバイスを参考にスキミングやタイトルの重要性を取り入れました。

<ライティング>
●苦労した点
日本の教科書ではOKでも、現地の人にするとニュアンスが異なっているようで、本場の英語を習得することの難しさを何度も痛感しています。書いて、添削してもらい、また書きなおす、この繰り返しです。
●工夫した点
分からない表現はとにかく先生に聞きます。疑問点を引き延ばすと結局成長しないので、分からないと感じたら即連絡し、アポを取り、自分の足で動いています。

○履修した科目について、振り返ってお書きください。

【科目1】Writing about Sources

■授業形式:
レクチャー、セミナー、たまにPC room 

■評価のつけ方:
出席、授業参加、課題提出(ネット上で)

■授業を通して学んだこと:
物事をクリティカルに考える力や、ディスカッションの力が付きました。全く異なる専攻(建築、医学、数学、宇宙学等)のクラスメートと互いの分野についての議論をし、「自分はこの問題についてどう考え、どう行動していくのか」を刺激し合い一般教養も養いました。何よりも文章力をつけることが出来たと思います。

■全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
月曜日から金曜日まで毎日8:30から授業だったので、朝満員のバスでの通学が辛かったです。宿題も多く4時に起きて2時間予習復習をしてから授業に臨んでいました。苦しかったですがやはり楽しさや新たな環境で今までとは全く異なる勉強スタイルでの学修の嬉しさの方が勝っています。大学院生が多かったので、私の人生の先輩方に話を聞くことができ、授業以外でもすごく学びの多いクラスでした。

【科目2】Academic Listening and Speaking 

■授業形式:
Student-centeredなクラスです。我々がディスカッションリーダーを務めhandoutを印刷し、授業を行うことも多々ありました。レクチャーベースの時もあります。

■評価のつけ方:
出席、授業参加、課題提出(ネット上で)、最終レポート

■授業を通して学んだこと:
プレゼンテーションの能力が一番大きいと思います。日本の大学でもプレゼンテーションの授業は履修していたのですが、今回のUWでの授業は全く異なるスタイルの教授法で、かつ教える内容も違うものだったので新鮮な学びとなりました。また授業をリードし、クラス全体を統合しリーダシップをとるという事の難しさを痛感しました。国籍が違うとディスカッションで語ることの発言内容が180度違い、ヒートアップする時もありましたが、十人十色の学生の中での語り合いは非常に刺激的なものでした。

■全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
この先社会に出ていく中で人前に立って何かを伝えたり、そして皆をまとめたり、そういう能力は必要不可欠であると思います。この授業では主にそういった将来必ず役立つであろう能力に焦点を当てて学修しました。人に何か自分の意見を伝え納得させる、そういう力は自分には欠けていたのだと気づかされ、また同時に人というのは一難しい生き物なのだと痛感しました。多種多様なクラスメートと切磋琢磨できたと思います。

【科目3】Diaspora

■授業形式:
レクチャー、ディスカッション、課外授業 週1(Seattle World School,Vietnamese Friendship Association)

■評価のつけ方:
出席、授業参加、課題提出(ネット上で)、オフィスアワー

■授業を通して学んだこと:
Diasporaというのは古くからユダヤ人の移民のことを指しますが、この授業ではその定義の枠を超えて、移民や難民が直面する数々の差別や隔離等の困難や不安、そして受け入れ国側の政府、NGO団体等の対応の仕方を国ごとに学修しました。ギリシャの経済危機がdiasporaに及ぼした影響や、メキシコからの不法移民問題、アメリカ東海岸の観光地化に伴うdiasporaの生活環境の変化等、グローバル化に伴う諸問題をdiasporaという基準のもと見ていきました

■全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
教科書3冊だけでなく、毎週教授から送られてくるメールに添付されている論文も読まなければならなく、宿題の読書の量が尋常ではなかったです。月曜日と水曜日が授業日だったので、日曜の夜と火曜の夜はほぼ徹夜でした。加えて課外活動である、tutorの仕事も週1ではあったものの場所もcapitol hillという場所で結構遠かったので精神的にも肉体的にも疲労でしたが、充実した生活となりました。そこの団体では移民の子ども達から大人まで、幅広い年代の方々に数学や英語を教えるというサポートを行いました。実際に移民としてアメリカに渡って来た方々と直に触れ合い語り合うという経験は二度と忘れることのないものとなりました。

○課外活動についてお書きください。

(1)大学内の活動に参加していますか。
FIUTSとAmnesty Internationalという団体に属しています。また以前はSusan. G Komen Puget Soundというピンクリボン運動を行う乳がん啓発NGO団体でのボランティアも行いました。加えて毎週土曜にSeattle World School に行き、tutorとして数学と英語をベトナムからの移民に教えています。

(2)スポーツはしていますか?具体的に教えてください。
教室移動が既にスポーツです。毎日万歩計は10Kを指します。
その他にも時間があるときにIMAという信じられない程のジムに行きwork outしています。大学とは思えない施設です。Green Lakeの周りも走っています。

(3)休み中の過ごし方について教えてください。
土曜日はtutoringの活動で一日が潰れます。しかしやりがいのある活動です。
日曜日は課題をし、時間があるときはFIUTSでFacilitatorとして色んな行事を企画実行していました。夜には友達や家族と共に出かけたり、フットボールを観賞したり、また一緒に料理を作ったりしました。