JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE
高知大学人文社会科学部人文社会科学科4年
- 留学先 :ニューヨーク州立大学オールバニ
- 留学時期:2024年春/夏派遣
- 留学期間:2024年0月~2024年0月
大学について
大学キャンパスの設備、雰囲気
構内はとても広くて歩き甲斐があります。ただし、毎日1時間ごとにバスが通るので、そちらを利用することも可能です。また、キャンパスの建物はおおよそ学部毎にわけられていますが、外観が同じなので道に迷うことがありました。University Libraryは、3階から地下1階まであり、豊富に文献を揃えているだけでなく、勉強机がたくさん用意されています。普段は朝8時から夜の12時まで開いており、テスト前になると午前3時まで開いているので、勉強する環境が整っていると言えます。他にも、ジムやフットボールスタジアムなど、キャンパスライフを楽しめるような施設もあります。雰囲気としては、活発な印象を受けます。人種も国籍も多種多様な環境なので、簡単に異文化交流ができる大学です
学生同士の交流・友人関係について教えてください
現地の学生:イベントや友人の紹介を通して、4人程知り合うことができました。他に、スイートメイトはみんな優しく、挨拶程度でしたが立ち話をすることもありました。
他の国からの留学生:オリエンテーションを通して、韓国人3人、インド人1人、フランス人1人と知り合うことができました。また、同じクラスを履修していた韓国人留学生と仲良くなり、一緒にイベントに参加したり、料理をふるまってくれたりしました。彼女のおかげでスピーキング力が伸びたと思います。
日本人:日本人同士の交流も大事にしたいと考え、特に日本人だからといって避けることはしませんでした。結果、とりとめのない話から社会問題まで、いろんな価値観を共有できたので、交流して良かったと感じています。日本人同士で英会話することもよくありました。
大学のある街について
どんなところですか:大学周辺は、学生街と。Albanyの中心地であるダウンタウンに向かえば、様々な個人経営の店舗や、議会などを見ることができます。
ダウンタウンまでのアクセス:バスで30分程度
お薦めスポット:モール
キャンパス内外の治安はいかがですか
キャンパス内:普通に安心して生活できます。
キャンパス外:なるべく一人では出歩かないようにしています。
初日のオリエンテーションは分かりやすかったですか
丁寧で分かりやすかったです。大学での過ごし方や諸般の手続きだけでなく、映画鑑賞やクラブなどの用意もあり、他の留学生と交流する機会が設けられました。特に、新入生や編入生を歓迎する目的で、電子キャンドルを灯したり花火が上がったりしたイベントが開催され、とても興奮したことを覚えています。
寮(ホームステイ)生活/ルームメイト(ホストファミリー)について
ホストファミリー/ルームメイトとの関係
ルームメイトは忙しそうで挨拶程度の関係でしたが、みんな優しく、たまに立ち話をしたりしました。私を含め全員夜型で集められており、平日でも深夜2時まで物音がするような状況が面白かったです。
食事
ニューヨークでは学食でさえ物価が高いのと、カフェテリアだけの食事では飽きるので、ほとんど毎日自炊を行っていました。カフェテリアは、どうしても料理をする時間が取れないときや、友人との交流時に利用していました。
課外活動についてお書きください。
スポーツはしていますか?
課外活動として何か成果を残したいと思い、ハドソン川周辺を走るハーフマラソンの大会に出ました。練習にあたって、大学の陸上クラブに入ることも考えましたが、学業に差支える恐れがあったので、一人でトレーニングを行うことにしました。大会当日は、スタート前に賛美歌が歌われたり、走行中にグースの群れを目撃したりと、日本では味わえない体験をしつつ、他の参加者と励まし合いながら無事にゴールできました。
休み中の過ごし方について教えてください。
宿題・予習、読書、ランニング、ユーチューブ、旅行、買い物
おすすめのイベントやクラブ活動があれば教えてください。
JSAという日本文化を発信する団体があり、日本人の友人が多く所属していました。チャリティーイベントやカラオケ、キャリアアドバイスなど、実際に何度かイベントにも参加しました。他には、各寮で行われるイベントがあり、そこではピザや果物が振る舞われ、ビンゴ大会や、アクセサリー作り、ペイントなどを通して友人たちと楽しい夜を過ごしました。
学生生活について
1週間のおおまかなスケジュールを教えて下さい。
月 Sociology、買い出し、予習、料理、ランニング
火 Macroeconomics, International Economic Relationship 料理
水 Sociology 洗濯、料理、課題
木 Microeconomis, Macroeconomics, International Economic Relationship、予習、料理
金 課題、読書、旅行、ランニング
土 課題、読書、旅行、ランニング
日 課題、読書、旅行
友達、クラスメイトとの交友関係、付き合い方を教えて下さい。変化はありましたか。
同じクラスを履修していた韓国人留学生に話しかけてもらってから、よく一緒に行動するようになりました。英語が上手くてネイティブだと思っていたので、留学生だと告げられた時はびっくりしました。
留学生活の中で、最も良い思い出、大変だった思い出をそれぞれ教えて下さい。
良い思い出:最もいい思い出は、会ったことのなかった親戚たちと会えたことです。Thanks giving dayや誕生日会を彼らと過ごしました。クリスマスも会う予定です。
大変だった思い出:大変だったことは、友達同士の喧嘩を目撃したことです。自分の意見をもつことは大事ですが、他の価値観を受け止めることも必要だと感じた瞬間でした。
一番の息抜きの方法は何ですか。
ランニング
日本から持っていったノートパソコンの使用頻度や必要性、またどのようなことに使っていたか(授業の課題、リサーチ、音楽、スカイプ等々)について教えて下さい。
ノートパソコンはほとんど使わず、iPadをメインに使用しました。iPadでの予習、ノート、課題提出の他、電子書籍を読むなど趣味にも活用しました。
日本の家族、友達とはどのくらいの頻度で、どのように連絡をとっていましたか。
一週間に一回は電話をしました。国際電話は料金がかかるので、ライン通話を利用しました。
大学のサポートセンター(ライティングセンター、チューターなど)は利用しましたか。 利用した場合、勉強を進める上で役に立ちましたか。
オフィスアワーや授業後の時間を利用して、教授に不明な点を聞きに行きました。勉強を進める上で役に立ちました。
留学先に持って行ってよかったもの、持っていけばよかったもの、不要だったものなどあれば教えてください。
持って行けばよかったもの:出汁、スーツ
不要だったもの:アマゾンなどを利用すれば、ほとんど何でも入手できるので、留学に関わる書類以外の必需品はないと思います。むしろ、不要だったものの方が多かったです。たとえば、冬は氷点下を回ると聞いたので厚めのパジャマや大量のヒートテックを持参しましたが、室内は半袖で過ごせるほど暖房が効いており、過剰な防寒具は不要でした。
到着後すぐに購入が必要だったもの:食料、寝具、調理器具など。特に浄水器は買って正解でした。
渡航前に日本で準備しておけば良かった点:速い速度でのリスニングに取り組むべきでした。
JSAF留学プログラム費以外でかかった費用の目安をそれぞれ教えてください。
旅行に関する費用
・国際航空券代(往復):400,000円
・現地での旅行費用:30,000円
個人的な諸費用(こづかい、買物代など)合計:50,000円
携帯電話料金:親戚のファミリープランに追加してもらっているので不明
ミールプラン以外の食事代:週$80
教材費:学部:$700
その他かかったもの:調理器具や食器$200
学部授業①
- コース番号 :AECO110
- 授業タイトル:Prin Eco I: Microeconomics
- 単位数 :3
授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)
レクチャー
評価のつけ方
中間テスト30%、期末テスト30%、課題35%、出席5%
授業を通して学んだこと(授業内容)
ミクロ経済の基礎知識について勉強しました。予習してきたことを前提に授業が進められます。教科書やビデオ教材を使って予習し、授業を受けた後は、課題を提出します。私の場合、予習に2時間、課題に3時間ほどかけていました。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など
当初は授業についていけるか不安だったので、経済学の中でも初学者向けの授業を1つは取ろうと考えていました。30人ほどのクラスですが、1限なのもあって、現地学生の出席率はあまりよくありませんでした。その代わり、出席している生徒は真面目に取り組んでいた印象があります。英語で行われる授業を取ってみて感じたのは、経済学は、日本語よりも英語で勉強した方が理解しやすいということです。なぜなら、英語の方が用語が簡潔で、難しい言い回しが少ないからです。このことに気づいてから、日本に帰国してからも英語の文献を活用する方が効率良く学びを継続できると思うようになりました。
学部授業②
- コース番号 :AECO111
- 授業タイトル:Prin Eco Ⅱ:Macroeconomics
- 単位数 :3
授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)
レクチャー
評価のつけ方
毎週の小テスト30%、中間テスト10%、期末テスト30%、課題30%
授業を通して学んだこと(授業内容)
100人強のクラスで、マクロ経済の基礎知識について学びました。教科書に書いてないことや、アメリカの社会や経済事情について、ユーモアを交えながら話してくれました。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など
履修するのに必要条件があったので、履修したい旨を連絡しました。いざ受講してみると、授業内容自体は面白かったのですが、成績に出席点が含まれないためか、学期末近くになると最終的に出席人数が30人ほどまで減少していました。ただし、出席している人は積極的に発言している人が多く、日本とアメリカの学生の違いを感じる経験となりました。教科書は、偶然留学前に読んだマンキュー経済学の本だったので、とりかかりやすかったです。また、小テスト対策のために毎週プリントが用意されており、小テストだけでなく中間テストの勉強にも役に立ちました。
学部授業③
- コース番号 :AECO360
- 授業タイトル:International Economic Relations
- 単位数 :3
授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)
レクチャー
評価のつけ方
中間テスト30%、期末テスト30%、課題30%、出席10%
授業を通して学んだこと(授業内容)
15人程度のクラスで、International tradeにおける理論やモデルについて学習しました。週二回の授業と、単元ごとに課される宿題をこなします。内容としては、the Ricardian Model、the HO model、the Stolper-Samuelson Theorem、the specific-factors model、the Monopolistic competition model、Offshoring、Tariff、Free-Trade Agreements、Exchange Rateについて教わりました。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など
シラバスに履修するための要件が記載されており、当然留学生の私は要件を満たしていなかったので、教授にメールして履修許可を頂きました。この授業を履修するために、念のためミクロ経済とマクロ経済も同時に履修しましたが、基礎知識を増強できた上に、他の授業で習ったことの応用まで学べたので、並行で履修して良かったです。International Economic Relationshipは比較的レベルの高い内容だったので、授業前に必ず2時間程度予習してから臨んでいました。先生がモデルを説明する過程で、問題を出したり、生徒からの質問によく答えたりしてくれたおかげで、授業に対してのモチベーションを維持できました。内容の難しさに反して、一番好きな授業になりました。
学部授業④
- コース番号 :ASOC115
- 授業タイトル:Introduction to Sociology
- 単位数 :3
授業形式(レクチャー・セミナー・ラボなど)
レクチャー、グループワーク
評価のつけ方
出席確認を兼ねたクイズ(1問1点)、課題(1つにつき10点)、グループワーク(40点)、期末テスト(80点)
合計して400点以上を取るとA
授業を通して学んだこと(授業内容)
社会学からみた人種、ジェンダー、科学、移民、都市化、政治など幅広いトピックについて学びました。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など
せっかく留学に来たのでアメリカの社会について知りたいと思い、履修を決めました。初回の授業の時にアメリカにバックグランドがないとわからないような質問をされ、戸惑ったと同時に、新しいことを学べる高揚感を感じた記憶があります。授業外では、課題のために大量のリーディングをこなさないといけないことに苦労しました。社会学専攻ではないので、馴染みのない用語にもよく出会いましたが、苦労したおかげで語彙力の増強につながったと思います。グループワークでは、なかなか議論に入ることは難しかったですが、現地学生の考え方は興味深く、新しい価値観を知ることができました。
履修した授業の課題の中で、特にがんばったもの、自信作について教えて下さい。
エッセイ・ペーパー
科目名:Introduction to Sociology
題材:Religion
内容:宗教と科学は、互いに受容しつつあるか、あるいは分断されつつあるか。(1000字)
大変だったこと、やり遂げての感想:予習した教科書をもとに、6人程度のグループで議論しました。私は宗教に馴染みがなく、グループワークで話題になった、キリスト教の聖書の内容については全く話についていけませんでした。しかし、自分にはない価値観にふれることができ、有意義な体験となりました。そして、最も苦労したのが、議論したことをまとめるペーパーを作成したことです。私ともう一人の学生が初稿から最終稿までを担当予定でしたが、結局私が全てを担当することになり、忙しい中短期間で仕上げるのがとても大変でした。他の生徒は議論に貢献してくれたから、という考え方で割り切って、なんとか提出することができた時、達成感を感じました。
学部授業を総括して、日本の授業と違う点、留学先国の授業の特色、自分が感じたことなどを自由にお書き下さい。
レクチャーであっても、双方向のやりとりを感じることができます。また、日本に関する授業を履修したわけではないのに、およそ一週間に一度くらい、授業中に”Japan”という単語を耳にしました。そのくらい、アメリカ社会にとって日本の存在は馴染み深いのだと驚きました。
語学力について
留学開始当初と比べ外国語力はどのくらいついたと感じますか?
具体的にいうと、IELTSのスコア0.5分は伸びたのではないかと思います。相対的に英語ができるようになりましたが、特に苦手だったスピーキングがよく伸びたと思います。また、IELTSでのリスニングパートはスコアが比較的良い方だったので、当初は日常会話が聞き取れなくてショックでした。しかし、今ではほとんど聞き返すことなくコミュニケーションをとれるようになりました。
語学力上達のために、工夫したこと、努力したこと
リスニング | 苦労した点:現地学生の英語のスピードの速さと聞きなれない表現に苦労しました。 工夫した点:授業を聞いているうちにリスニング能力は向上したように感じています。加えて、登校中や家事の合間に、オーディオブックやポッドキャストを聞くことは効果的でした。慣れてきたら1.2倍速で聞くようにしました。 |
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スピーキング | 苦労した点:留学直後は特に、言いたいことが上手く言えないことがあり、意思の疎通に苦労しました。 工夫した点:友達やネイティブの親戚との会話の実践を通して成長しました。また、考え事をするとき、英語を使用するようになりました。 |
リーディング | 苦労した点:意味の見当がつかない単語と出会ったことです。 工夫した点:iPhoneに内蔵されている英英辞書を利用するようにしました。 |
ライティング | 苦労した点:文章表現のレパートリーが不足しており、自然な文章を書けていないと感じたことです。 工夫した点:ネイティブの書く文章を参考にしたり、せめて文法や語彙が適切かどうかを確認したりするようにしました。 |
工夫したこと
リーディング:SNSで英語のコンテンツに触れやすいように調整しました。加えて、教科書やパブリックドメインの電子書籍を読むことで、長文を読むことが苦痛ではなくなりました。
リスニング: オーディオブック、ニュース番組、ポッドキャスト
ライティング:他の生徒や先生の表現を見て、自然な表現を使うようにしました。
スピーキング:考え事を英語で行い、会話の実践を通して伸ばしていきました。
留学全体を総括して
留学の目的は何でしたか
自分の専門分野の理解を深めること、自分の中にない価値観にふれること
上記の目的は達成されましたか
おおむね達成されました。留学中に習得した知識や価値観を忘れず、今後も学習を続けていきたいです。
留学を通して身に付いた、成長したと感じる点はどんなところですか。
日本でよく「海外では~~」「アメリカでは~~」という文章を目にする機会がよくありましたが、その内容の正しさや誤りを、自分の留学体験を通して実証できるようになったと思います。後は、月並みな感想ですが、価値観の広がりを感じています。現在特に関心を抱いているのは経済学ですが、ニューヨークに来たことで、黒人の文化や歴史を身近に感じるようになりました。幸運にも実際に差別を見聞きしたわけではないですが、よく言われる、人種による貧富の差が存在することを実感しました。それに限らず、社会を知ることは、当事者を知ることから始まると思うので、今回様々なバックグランドを持つ人たちと交流できて良かったです。
留学先の国、大学について、出発前と考え方やイメージが変わった点はありますか。
当初はアメリカにこだわっていたわけではありませんでしたが、留学を経てアメリカを好きになりました。留学が初めてだったので、何か問題があった時に親戚に頼れる位置にあり、興味分野の科目があるという理由でSUNY を選びましたが、この大学にして良かったと感じています。社交性のある方ではない自分でも人と交流しやすい環境で、居心地がよく、勉強も面白いです。私が会話した現地学生や留学生たちも大学生活を楽しんでいるように窺えたので、色んな人に合う大学だと思います。
これからの目標、進路についてはどのように考えていますか
日本の大学に復学して、卒業論文のための調査研究を行う予定です。今回の留学で得た知識や経験を基に、執筆したいと考えています。キャリアに関しては、今のところ企業も公的機関も気になっているので、両方挑戦してみようと計画しています。
同じ大学へ留学する後輩へのメッセージ、知っておいたほうが良いことを教えて下さい。
履修することが決まっている科目でも、オリエンテーションの説明後に教科書を購入することをお勧めします。そこで、オンラインの電子書籍など、大学の本屋で買うよりも安い入手方法を紹介してくれると思います。また、シラバスでprerequisiteと書かれている科目が多くありますが、教授に連絡して、履修させてもらえるようにすることもあるので、あきらめずに挑戦してみると良いと思います。
JSAFサポート(事前英語学習、出発前オリエンテーションについて)
JSAFでの出発前オリエンテーションは、役に立ったと感じますか。またそれはなぜですか?なるべく詳しくご記入ください
たくさん質問にご回答いただき、留学のイメージを明確に持つことができたので、オリエンテーションは訳に立ったと感じています。
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