JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE
ソールズベリー大学 語学+学部留学(1学年間)
横浜市立大学 国際教養学部 3年
- 留学先 :ソールズベリー大学
- 留学時期:2024年秋派遣
- 留学期間:2024年8月~2025年5月

留学全体を振り返って
留学を通して成長した点
語学力は成長したと感じるし、授業でコミュニケーションの効果的な取り方を学び、様々な表現方法・伝え方が身についた。また、全く新しい環境で1人で生活する中で、自分で判断して行動する自立心や文化の違いに対する理解がより深まった。日本以外の国で暮らしたことのない私にとってこの経験は価値観を広げてくれたし、国際的な問題を身近に感じられる良い機会になった。
留学開始当初と比べた外国語力の変化
リスニング力は自分でもわかるほど上がったと思う。留学初期には全然聞き取れなかった友達の話すスピードに気づいたらついていけるようになっていた。また、授業を通して専門的な単語や表現を、日常生活を通してスラングや実践的な英語が身についた。
留学を終え、現在の想い
最初の2ヶ月くらいは日本に帰れるのならばいつでも帰りたいと思っていたし、慣れない環境に心も体も順応できなかったが、留学生活が半分を切る頃には残りの月日を数えて帰りたくないと願うほど留学生活が楽しいものになっていた。誰も私のことを知らない環境、文化も食べ物も何もかも初めての土地で生活をスタートさせることは簡単ではなかった。想像とは違って文化の違いにショックを受けることも少なくなかったし、自分の英語力にも何度も悩まされた。でも、最後には別れが寂しいと思えるくらい大好きな人たちに出会えたことで、自分が選んだ道は間違っていなかったと実感でき、確かな成長も感じることができた。
Salisbury大学へ留学する後輩へのメッセージ
学校周辺は車がないと何もすることがないので、退屈に感じることもあるかと思いますが、近くのビーチやD.C、ボルチモア、メリーランド州東部など、友達ができたらたくさん一緒に出かけて見てください。素敵な場所もたくさんあります。クラブには積極的に参加しましょう。
【1学期目】語学研修
大学生活
到着後8月から12月まで、1学期を終えての感想
私はこの留学が初めての海外ということもあり、最初は何もかもがカルチャーショックで一つ一つについていくことが大変でした。清潔感や衛生面、食生活、人間関係の価値観などの違いが大きく戸惑いましたし、日本が恋しくて辛いとも思いました。しかし、微量ながら英語力がついてきた中でアメリカでの生活に順応しつつある自分に気がつきました。
これまでの留学を通して感じたのは、何事も躊躇する必要はないということです。私はいつも頭でよく考えてから動くため行動が遅くなりがちなのですが、他の留学生や現地生を見ていると、何も恐れることなく考えたことをすぐ行動に移す人が多いなと感じました。
また、私の友人は日本文化に興味がある人が多いのですが、その他大勢の学生は日本についてほとんど知らないということに気が付き、驚きました。というのも、私は日本は世界的にも人気な観光スポットであるし、アニメやゲームなど世界に誇れる文化を多く放ってきたため、当然ほとんどの人が日本についてある程度知識があると自負していたからです。日本にあまり興味がなさそうな子を見て悲しくなったと同時に、一度日本の良さを知ってもらえたら確実に好きになってもらえると思うので、伝えられたらいいなとも思いました。そして、そのために私自身が日本の良さについてもっと学ぶ必要があると感じました。
学生同士の交流・友人関係
現地の学生:日本留学経験のある学生、日本語クラスの学生、ルームメイト、国内交換留学生、友達の友達等
他の国からの留学生:韓国、中国、パキスタン、エクアドルからの留学生(クラスが同じ)やブラジル、スペイン、ペルー、米他の州からの留学生(留学生オリエンテーションやイベントで仲良くなった)
日本人:JSAF派遣生、他大学からの交換留学生、ELIクラスで出会った日本人
大学のある街
どんなところですか:
・自然が多い
・静かで落ち着いている
・清掃が行き届いている
飲食店やスーパーは近くにあるが車が必須の田舎。かといって周辺で全く遊ぶ場所がないわけでもないため、学業には集中しやすいと思う。
ダウンタウンまでのアクセス:車で10分程度
キャンパス内外の治安:
キャンパス内:良い
キャンパス外:方角やキャンパスからの距離による
お薦めスポット:モール(ちょっとした買い物や映画が見られる)
緯度は福島県と同じくらい。湿度は日本より少し低い。
寮生活/
ルームメイトとの関係
私の寮は2人部屋が4つあるアパートだった。全員と1回以上会話はしたが特に交流はない。しかし、ルームメイトを含む3人は比較的仲がよく、時々共有スペースで集まって話していた。私はそこに何度か混ざることがあった。 ルームメイトとは部屋で基本的にはほとんど会話はなく、お互いの時間を大切にしている。
食事
ダイニングホールはバイキング形式なので、揚げ物ばかりのアメリカでもサラダを積極的に食べて、それなりに栄養バランスは保っていたと思う。私の寮からダイニングが遠いので、雨の日や寒すぎる日、図書館に籠っている日は図書館に隣接しているカフェテリアを利用することが多かった。
課外活動
休み中の過ごし方
基本的には休日は大学内でまったり過ごすか課題をする。友人の車に乗せてもらい、遊びに行ったりすることもある。または、イベントがあれば積極的に参加していた。
大学内の活動に参加していますか。
アニメクラブ、サイコロジークラブによく参加していた。ESA(Environmental Students at Salisbury University)としてゴミ拾いのボランティアにも参加した。
おすすめのイベントやクラブ活動
秋学期初めのオリエンテーションや水曜日にやるビンゴ大会、その他学校で定期的に開催されるイベントは楽しいし、いい思い出になっているのでおすすめです。
到着後から現在までのこと
渡航前に日本で準備しておけば良かった点:英語の勉強、特にリスニング
日本から持ってくれば良かった物:
・友人にあげられる小物や日本文化を感じられるもの(折り紙等)
・十分なヘアオイルやスキンケア用品・コスメなど自分の肌に合ったもの
・歯ブラシ(アメリカのものは大きすぎるため)
到着後すぐに購入が必要だったもの :ヘアドライヤー、寝具、ハンガー、洗濯用洗剤、間接照明、テーブルタップ
生活費(月のお小遣い):5万円程度
語学研修
クラスの雰囲気
Grammar:日本の学校でやるような文法をおさらいしていく。どんな質問でもしやすい。
TOEFL:試験対策として問題をみんなで確認しながら解いた。先生が疑問点がないか毎回確認してくれる。
Speaking:与えられたトピックについてクラスメイトとディスカッションしたり、プレゼンテーションがあった。間違いを恐れず英語を話しやすい雰囲気。
Reading:テキストを読み進めていく。チャプターごとにテストがあり、最後は本を読んでそれについてプレゼンテーションを行った。
Writing:ライティングのメソッドを学んだ後、2時間かけて1つのエッセイを仕上げていく。わいわいというよりみんな集中した雰囲気。 Vocabulary:アクセントの違いや季節のイベントなどを学びながら新しい語彙も学習していく。先生やクラスメイトと話しながら進めていく、一番楽しくて好きな授業だった。
人数/国籍の割合:
クラスによって異なるが基本的には、日本人4人、韓国人3人、中国人1人、パキスタン人1人、エクアドル人1人。
1日の勉強時間と勉強場所
基本的には図書館で4〜5時間程度。テスト前等はもう少し長い。
勉強するのに役立つ教材や方法
集中できるBGMを見つけてそれを聴きながらやる。休憩時間も想定してあるものがおすすめ。また、語学の勉強なのでインターネットを活用してリスニング向上や語彙を増やすなど。
語学力
英語力は伸びていると感じますか
正直圧倒的な成長は感じられないが、少なくともリスニング力は上がったと思う。最初は本当にネイティブスピーカーの話す速さについていけず単語がたまに聞き取れる程度だったが、話の流れを大体掴めるようになった。
語学力上達のために工夫/努力したこと
| リスニング | 苦労した点:聞き返すことが何度もあり、その度に申し訳なくなった。それでも理解できないことがあったし、会話の中ですれ違いが起こったりした。また、口語表現で省略された文法を理解するのが大変だった。 工夫した点: わからない単語や表現が出てきたらすぐに尋ねる。英語以外をできるだけ聞かないようにする。口語表現に慣れる。 |
|---|---|
| スピーキング | 苦労した点:自分の言いたいことが表現できない。発音が間違っていて伝わらない。 工夫した点:言いたい単語がわからなくても色々な言葉で補足しながら伝えるようにする。正しい発音をネイティブスピーカーから学ぶ、真似する。細かいことは気にせず伝えることに集中する。 |
| リーディング | 苦労した点:読むスピードが遅い。知らない語彙が多い。 工夫した点:スキャニングする。語彙を増やす。たくさん読む。 |
| ライティング | 苦労した点:表現したい言葉がわからない。ライティングのルール(コンマの有無や正しい文語表現)が曖昧。 工夫した点: さまざまな表現を使って伝える。一度書いたライティングの見直しをして覚えていく。 |
最終学期に向けての目標
いよいよ語学研修がおわり、学部授業に移行するので来学期は今期より大変になることを覚悟しています。しかし、英語で学ぶことが楽しみだったので積極的に頑張ろうと思います。具体的に今準備できることはやはり英語の勉強です。おそらくリーディングの量が増えると思うので今から本を読んだり英文の記事に触れたりして慣らすつもりです。また、言いたいことが言えるように語彙やイディオムをさらにインプットしたいです。来期にとる授業は自分の興味がある分野とはいえ、半期やそれ以上ブランクがあるので軽く予習もできたらなと考えています。
いよいよ学部授業に進むことに不安と興味でドキドキしていますが、自分に甘えずできるだけ良い成績をとること、自分の考えを明確にしてそれを英語で表現できるようにすることを大きな目標としたいです。



【2学期目】学部授業
学生生活
1週間のおおまかなスケジュール
月〜木:授業後図書館で勉強
金:授業後図書館で勉強、友達と遊ぶ
土日:外出または夕方から勉強
友達、クラスメイトとの交友関係
最初の学期はELIクラスだったため、交友関係は交換留学生が中心だったが、春セメスターは留学生の他、秋セメスターからの友達とさらに仲良くなって一緒に遊ぶことが多かった。一緒に勉強したり、ゲームをして映画を見たり、サンクスギビングや冬休みには家にお邪魔させてもらったりもした。
留学生活の中で、最も良い思い出、大変だった思い出
印象深い思い出は、留学が始まって1ヶ月も経たないうちに留学生何人かでお泊まりに行ったこと。その時まだアメリカにも新しい友達にも慣れていなかったが、韓国人の留学生と夜中までずっとお喋りしたことがとても楽しく、距離がグッと縮まった。また、サンクスギビングにアメリカ人の友人の家に泊まらせてもらった時は、伝統的なサンクスギビングを体験させてもらったり、友達の友達も含めみんなでアイススケートしたりと、とても充実した休暇だった。テストやプレゼンテーションは本当に大変で、その期間は図書館に籠って勉強していたが、日常生活で伝えたいことが伝わらない時の方がテストで上手くいかなかった時よりも悔しかった。
一番の息抜きの方法
日本人の留学生または日本にいる友達と話すこと、味噌汁を飲むこと(持ってきた日本食)
ノートパソコンの使用頻度や必要性
学部授業では基本的にe-textbookを使用していたため、パソコンを使っていた。課題をやる時はパソコン、テスト勉強や授業中の板書はiPadと授業によっては紙のノートを使用していた。
日本の家族、友達との連絡頻度
基本的には3日から2週間に一回ほどテキストで連絡をとっていた。時差の関係で時間の調整が困難だったため電話は友達と2ヶ月に一回ほどしていた。
語学力上達のために、工夫/努力したこと
英語の環境に囲まれるために、できるだけ日本語コンテンツを見ないようにした。わからない単語は単語帳アプリに入れたり、携帯の待ち受けにしたりして触れる機会を増やした。初めて知った単語やスラングは周りを真似して意識して使うようにした。友達とはグループになると話さなくなったり、テンポについていくことが難しいため、2人で遊んだり留学生も含めて遊んだりすることで話す機会を増やした。
留学プログラム費以外でかかった費用の目安
① 旅行に関する費用
・国際航空券代(往復):40万円ほど
・現地での旅行費用:20万円ほど
② 個人的な諸費用(こづかい、買物代など)合計で50万円ほど
③ 携帯電話料金:1万円ほど
④ ミールプラン以外の食事代:合計で10万円ほど
⑤ 教材費(語学研修:2万円ほど・学部:3万円ほど)
⑥ ヘルスセンター使用料:¥0
学部授業①
COMM101:INTRO TO HUMAN COMM STUDIES
授業形式
| レクチャー、スピーチ |
評価のつけ方
スピーチ6回、課題提出、出席
授業を通して学んだこと
効果的なパブリックスピーキングのスキルを向上させる方法について学んだ。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと
そもそも人前で話すことが苦手な私にとって、英語でスピーチをすることは難易度が高かった。最初は英語に自信もなく授業が嫌だったが、授業を通すうちにクラスメイトの前で話すことに抵抗がなくなっていった。最後のスピーチでクラスメイトにアイスランドの魅力についてスピーチしたが、どのような構成にしたらスピーチに説得力を持たせられるか、どのような話し方なら興味を持ってもらえるか学んだことを活かして考え、何度も練習をして本番を自分なりに満足のいくスピーチができた。また、この授業を通して、自分の英語にはトーンが足りていないと知ることができ、特に英語においてコミュニケーションをとる上で重要なトーンを意識するようになった。このクラスは英語のスピーキング力を鍛える練習にもなったし、日本語でのプレゼンテーションをする上でも重要なことを学べた。
学部授業②
COMM312:NONOVERBAL COMMUNICATION
授業形式
レクチャー
評価のつけ方
課題提出、クイズ毎週、出席、テスト2回
授業を通して学んだこと
非言語コミュニケーションが与える影響についてその種類と効果について学んだ。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと
英語が第二言語でまだまだスムーズな会話が難しい私にとって、コミュニケーションの9割以上を占める非言語コミュニケーションを学ぶことは、この留学で対人関係を築くためや異文化理解を深めるため、日本でも円滑なコミュニケーションをとるために重要だと感じた。この授業は教授と生徒の距離が近く、生徒と一緒に授業を進めていく雰囲気がとても楽しかったし、内容も一番好きな授業だった。
学部授業③
PSYC313:DRUG & BEHAVIOR
授業形式
レクチャー
評価のつけ方
テスト4回
授業を通して学んだこと
生物学的、歴史的、心理的、社会的観点から、合法と違法の両方の薬物の使用と誤用について学んだ。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと
この授業は、薬物が人間の身体や社会に及ぼす影響に着目していたため心理学よりも生物学的要素が強く、専門用語や暗記にかなり苦戦した上、テストのみ評価されるため、成績は思うようにいかなかった。しかし、授業内容は初めて知る内容ばかりで、特に多くの州で合法化が進んでいるマリファナは日本では馴染みがなかったが、この国の人の観点から薬物について学ぶことができ、貴重な学びになった。私の日本の大学では学べないような内容を勉強できて楽しかった。
学部授業④
PSYC360:CLINICAL/COUN PSYC
授業形式
レクチャー
評価のつけ方
クイズ6回、課題、出席、テスト3回
授業を通して学んだこと
臨床心理学の実践における方法、技術、理論の紹介と、現在の問題と臨床心理学者とカウンセリング心理学者が直面している問題について学んだ。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと
今のところ心理学者になろうと思ってはいないが、日常生活で、例えば、自分の大切な人たちが精神的な不安を感じているときに学んだことを活かせそうだと思い、この授業をとることにした。どのようなアプローチ方法が存在し、対象者に有効なのかを学び、心理学とコミュニケーション学の親和性もあってより理解を深められた。また、授業を通して、この授業を自分のつきたい職業にどう活かせるかを考えたり、英語でレジュメを書いたりしたことで自分の将来について真剣に考えられたのも良かった。
履修した授業で特にがんばったこと
プレゼンテーション
科目名:NONVERBAL COMMUNICATION
題材:Nonverbal Communication Dos and Don’ts Across Cultures between the United States and Japan
内容: 日本とアメリカの非言語コミュニケーションの違い、特にジェスチャー、アイコンタクト、プロセミクス(対人距離に関する研究)について
大変だったこと、やり遂げての感想: 日本とアメリカの文化の違いによる非言語コミュニケーションの違いはかなり顕著で、参考文献には困らなかったし、自分の経験からもよくわかっていたが、プレゼンテーション資料を作成するのにまとめたり、どう説明するかを考えたりして難航した。一度提出した際に教授からアドバイスをいただき、スライド一枚毎の文字量や聴衆のための視覚的な資料を調整してやっと満足のいくスライドが完成した。しかし、この発表はスクリプトが禁止で、発表中はスライドの音読ではなく自分の言葉で説明し、クラスメイトの興味を引くような発表にする必要があったため、要点をまとめて説明できるようにしたり、友達頼んでアドバイスをもらったり何度も練習に付き合ってもらったりして、どうにか本番を乗り越えることができた。教授からのフィードバックでは自分の発表中のクセや自信を持つことなど改善点のほか、発表態度の良かった点や、私のアクセントが明確で理解の妨げにはならないことなどを指摘していただき、今後のプレゼンや英語スピーキングに活かせるアドバイスと自信につながる言葉をもらえて、きちんと評価されたことが嬉しかった。
日本の授業と違う点、留学先国の授業の特色
日本では授業の規模が比較的大きく少人数での授業が少ないため、より個人にフォーカスでき、教授との距離感も近いソールズベリー大学の授業は雰囲気がよかった。授業中に他のことをしていたり、授業に集中していなかったりする生徒もおらず、生徒が本当に学びたいことを自主的に選んでいるのだと感じた。授業の進め方も、教授と生徒が一緒に授業作るような形だったり、生徒がよく質問をしていたりして意欲の高さが感じられた。また、日本の大学との圧倒的な違いは授業外での勉強量だった。アメリカでは毎週、毎授業課題が出され、さらに授業は予習が前提とされているものが多かったため、毎日のように図書館で勉強をしていた。テスト期間には深夜2時を過ぎても図書館で勉強する生徒が多くおり、現地の学生も頑張っていることが私のモチベーションにもなっていた。





