JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE
第3回目 オーストラリアからの派遣生の現地レポート(2020年11月)
【オーストラリアカトリック大学(ブリスベン)】
第3回目となる派遣生の現地レポートの紹介は「オーストラリア」に留学中の派遣生から紹介いたします! コロナ禍で留学を続け、12月に帰国予定となる派遣生からのレポートです。
ブリスベン(クイーンズランド州)
1年を通して過ごしやすい気候から別名「サンシャイン・ステート(太陽の州)」とも呼ばれているブリスベンは、 クイーンズランド州の州都でオーストラリア第3の都市です。
お洒落なカフェやレストランが多いほか、ビーチリゾートも近郊に多く、コンパクトな街なので住みやすさも人気の秘訣です
Q 大学やブリスベンの様子などを教えてください
【どんなところですか?】
大学の周りは閑静な住宅街でとても静かで過ごしやすいところです。ただ交通の便があまりよくないのでほとんどの学生が車で通っていて、私も自転車で行動しています。近くに海や湿地があって自然も感じられます。
【大学からダウンタウンまでのアクセス】
車で20分、電車だと30分くらいです。
【お薦めスポット】
大学の近くでは、海(ビーチはないですが遠浅で景色はとてもきれいです)がありますが、シティもにぎやかなところと、大きな公園や川など静かで落ち着いたところがあり、とても良いところだと思います。
Q 現地での学部授業の様子を教えてください
日本ではまず一学期に取る授業の数が10クラスほどと多かったですがこちらでは3~4クラスと一つの授業で一つ一つの内容を深めていくというところが違うと思いました。
その代わり一つのクラスでレクチャーとチュートリアルがあり、チュートリアルはそれぞれ2時間ほどと長く、自分たちで考える時間が多く、常に自分たちはどのように思うか、ということを求められていた印象が強いです。
教授と学生の距離も近く、どの授業でも、学生が教授とディスカッションをしているのが印象深かったです。
Q 履修されていた授業について教えてください
【幼児教育(Creative Arts in Early Years 0-5)】
授業を通して学んだこと(授業内容):
幼児教育におけるcreative arts 領域の意義と指導方法について学びました。Artsの4つの分野(Drama, Dance, Music, Visual arts)のうちから3分野を選びそれぞれ4つ、計12個の指導案を立て、自分の決めた絵本に基づき模擬授業を行いました。
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
チュートリアルでは実際の授業を体験しながら学んでいくというスタイルだったのでとても実践的で、楽しく学ぶことができました。また、教授の実際の指導経験を通しての工夫の仕方や子どもを引き付け、伸ばす方法についてもたくさん話してくださったのでとてもためになる授業でした。
しかし課題のエッセイと指導案についてはとても量が多く特に指導案は12個の授業を考え、教材も作るというものだったのでとても大変でした。また、オーストラリアの文化も授業の中で取り入れなければならず、オーストラリアの文化について全くと言っていいほど知識が無かったので、それについてもリサーチをするなど大変な部分が多かったです。
【小学校体育指導法(Health and Physical Education 1: Curriculum, Pedagogy and Assessment)】
授業を通して学んだこと(授業内容):
小学校体育のセオリーと内容、方法について学びました。 レクチャーでは主にセオリーやオーストラリアの健康に関する課題やHPEにおけるインクルーシブ教育、安全課題などについて学びました。 チュートリアルでは、実際に自分たちで教師、生徒役になって授業を行うというスタイルで実践的に指導法やさまざまなスポーツ、ゲームについて学びました
全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
チュートリアルでは毎回全員が指導の機会を得ることができ、とても実践的に学ぶことが出来ました。一方で、典型的なプレゼンテーションではなく模擬授業という形でしたが、グループで授業を考えるところから実際の指導まで行うのはやはり大変なことが多く、苦労しました。
グループ内でのコミュニケーションやモチベーションの違いなどにも苦労をしましたが、一番は、授業なので台本を用意して繰り返し練習したりすることが出来ず、その場で対応して臨機応変に答えていかなければならなかったことが大変でした。実際に授業でも生徒役の学生の言っていることが聞き取れずに対応に詰まってしまう問い場面もありました。
【特別支援教育・ESL指導(PARTNERSHIPS: INCLUSIVE AND DIVERSE LEARNING)】
授業を通して学んだこと(授業内容):
この授業では特別支援教育やESL (English as a Second Language) 、パートナーシップ(教師-子ども、保護者、教師間)について学びました。幼児教育におけるパートナーシップ、特別支援が必要となる障がいについて、特にオーストラリアでよくみられる自閉症、視覚、聴覚障害についてその特徴や指導、サポートなど事例を通し学びました。
また、多文化社会な国ならではの、ESLや文化、宗教などの違いについても子ども、親のサポートや施設、学校での配慮についてレクチャー、チュートリアルそして課題を通して学びました。特に私はESLに該当していたので自身の話や文化、インクルーシブ教育の日本とオーストラリアの違いなどについてもチュートリアルの中で話す機会をいただき、今まで知らなかった日本のことについても知ることができました。
Q 現地での生活について教えてください
私のホストマザーはとても面倒を見て下さり、家族のように接してくださいます。
特にロックダウンで外に出られない期間が長かったのでホストマザーのご家族や、お友達を紹介してくださったり、ホームパーティーなどに招待していただいたりととても気にかけていただきました。
食事は朝、昼ごはんは自分で用意をしますが、夜ご飯は毎回準備をしてくださいました。とても健康に気を遣っている方なので、夜ご飯も常に野菜を取り入れてくれたりして、いつも夜ご飯が楽しみでした。 また、チャイルドケアのボランティアで現地の小学生に日本の学校紹介をする活動もしています!
Q 現地での語学力について、どんな対策などしていますか?
こちらに来てすぐのころはロックダウンでなかなか友達にも先生方にも会えなかったことに加え、 そもそも話をする機会がとても少なかったので、苦労しました。 ですが常にpodcastやYouTubeなどで英語学習者向けの物を見たり聞いたりしていました。
また私は単語帳をみてひたすら覚えたりするのがとても苦手なので、自分でノートを作ってその日にわからなかった単語やフレーズ、伝わらなかったことなどを書いてまとめるようにしていました。
あとは、直接語学力向上につながっていたかはわかりませんが、サッカーのクラブに入ったことでネイティブスピーカーの中での会話に慣れることが出来、友達と話す機会も増えたのでそれも日常会話の上達において助けになったと思います。
Q 留学全体を振り返っての感想を教えてください
この留学を通して、良い意味で気を抜きながら様々なことに挑戦していくことが出来るようになったと感じています。
私は留学前、部活中心の生活を送っており、すべてにおいてとてもいっぱいいっぱいになってしまう性格で、部活と勉強以外のことには手を出さずそれだけに集中しているような生活を送っていましたが、こちらに来て、いい意味で気を抜きながらやるべきこともしっかりやるということが出来るようになったと感じています。
また、留学前は自分の意見を述べることが日常でも勉強の場面でも難しいと感じていましたが、こちらに来て、現地の学生が自分の意見をしっかり持っていること、また常に自分の意見を求められたことで、自分はどう思うか、自分はどのようにしたいかということ意識しながら、自分がどう思うかということをしっかり考えられるようになったと感じます。
最後に、ACUで私が出会った先生方は皆さん本当に理解があって、いつもサポートをしてくださり留学生として不安があっても、とても勉強をしやすい環境でした。そして教育のコースでは先生方はみんなベテランの教師で、先生方の経験を踏まえた授業をしてくださるのでとても実践的で、一番良い部分だと思いました。