新規協定大学派遣生現地レポートREPORT

ウェスタンオレゴン大学/Western Oregon University 体験談 VOL.1

○到着後から現在までのことについて教えてください。

(1)渡航前に日本で準備しておけば良かった点
単語力の強化です。こっちで生活していても、「英語を使う」という点では変化を感じられますが、使える単語の幅は元々持っている語彙力の中からだけで、語彙力自体は自力で上げるしかないため、こっちに来てから話す幅を広げるためにも、もっと渡航前に強化しておけば良かったと思う点です。

(2)日本から持ってくれば良かった物
小さめの洗濯バサミ付き洗濯物干し。

(3)到着後すぐに購入が必要だったものは何ですか
寝具。寮の部屋にはベッドの骨組みとマットレスがあるのみで、枕・掛け布団・シーツなどは無いので、寮に入った次の日に買いに行きました。日本とはサイズの規格が違うので、日本で買うよりも到着してから購入した方がいいと思います。

(4)生活費(月のお小遣い)はどのくらいですか
2万円前後。基本的にはmeal planがあるため平日の食費はほぼかからないので、大学や近くのカフェでコーヒーを買ったり、週末に友達とご飯やどこかに遊びに行ったりする時にお金を使うくらいです。ただ、夏学期中はmeal planが無く、大学のカフェテリアが割高になるので自炊をしていた関係で食費が上乗せされて3~4万円前後です。※自炊のためのキッチン用品や日本食の調味料を買いそろえるともうちょっとかかります。

○大学について

 

(1)大学キャンパスの設備、雰囲気
キャンパスの端から端まで歩いて15分ほどで行ける、アメリカの大学にしてはコンパクトなキャンパスです。キャンパス内には緑が多く、空き時間や放課後に芝生で寝転がって友達と話をしていたり、勉強していたり、フリスビーで遊んでいたりと、自然に囲まれた居心地の良い雰囲気を感じます。設備に関しては、キャンパス内に医療施設、ジムやテニスコート、野球場、アメフトのコートなどのスポーツ施設が備わっていて、大学チームの試合がWOUである場合は、学生証があれば無料で試合観戦ができます。また、秋学期からは新しい校舎が開設されたりと校舎も比較的綺麗だと思います。小規模な大学なので、一クラス当たりの人数も少なく教授や他の学生との関係も近いので、アットホームな雰囲気です。

(2)学生同士の交流・友人関係について教えてください
現地の学生:寮の同じフロアの学生や、所属しているclubのメンバー、他の国からの留学生の友達の友達、という繋がりで仲良くなった人が多いです。ディスカッションのあるクラスでは、授業のディスカッションのグループが同じになって、そこから仲良くなったりもしました。

他の国からの留学生:各国数人ずつ、という感じでヨーロッパや西アジア、アフリカ、南米など様々な国から学生が来ています。ただ、中国とサウジアラビアからの学生が圧倒的に多く、この二か国の学生は基本的に自分たちで固まっていることが多い印象です。でも、同じ国の学生と固まっていない学生ももちろんいて、その人と仲良くなって、そこから友達が一気に増えることもあるので、機会があればどんどん仲良くなった方がいいと思います。私の場合は、WOUのinternational clubに所属したことで留学生の友達が増え、交流関係が広がりました。

日本人:ほぼいません。春学期は、私ともう一人のJSAF派遣生を含め日本人学生が5人しかいなかったため、同じ授業を取っていない限り、キャンパス内でもほとんど見かけなかったです。

(3)大学のある街について

どんなところですか:WOUがメインの小さい街です。メインストリートには、レストランが10軒弱と雑貨屋さんやコンビニのようなデリや噴水のある公園などがありますが、料理をする際の食材などを買えるようなスーパーマーケットまでは、徒歩で40分、車で10分ほど。遊びに出かけたりする場所はあまり無いけれど、こじんまりしていて静かで暮らしやすい街です。

ダウンタウンまでのアクセス:州都のSalemまでバスで20分。ただ、バスは月~金のみので、一日に5~6本。終バスは18時なので、逃した場合は車を持っている友人に連絡して迎えに来てもらわないと帰れないので、出掛けるときには注意が必要です。それ以外にも、オレゴン州で一番栄えているPortlandまでは車で1時間半ほどで行けます。

お薦めスポット:メインストリートにmomijiという名前のお寿司屋さんがあるのですが、友人と行けば自然と日本の話になるので、仲良くなるきっかけとして結構役立ちました。

(4)キャンパス内外の治安はいかがですか

キャンパス内:比較的規模の小さい大学のため、キャンパス内も平和で治安は良いと思います。
キャンパス外:人口の約8割がWOUの生徒で占められている大学の街なので、キャンパス外も特に治安は変わらない印象です。

(5)初日のオリエンテーションは分かりやすかったですか
パワーポイントを使って説明をしてもらえて、分かりやすかったと思います。留学生の人数も少ないので、分からなかった部分についても質問しやすかったです。

○英語力についてお書きください

(1)英語力は伸びていると感じますか
「英語力」の意味することが人それぞれ違うと思うので、何とも言えませんが、話したいことを英語で考えて英語で話す力と、リスニング力は多少上がっていると思います。到着してすぐの頃は、話をしていても言いたいことがまず日本語で思い浮かんで、それを英語に置き換えて話していたので話すスピードも遅かったのですが、最近は言いたいことが英語で浮かぶようになり、スムーズに話せるようになってきていると感じます。また、リスニング力に関しては、初めは早すぎて何を話しているのか分からなくなり、話についていけていなかったネイティブの学生との会話が以前よりすんなりと理解できるようになってきています。

(2)英語力を向上させる上で苦労した点、またご自身で工夫された点はどのようなところですか

<リスニング>
●苦労した点
授業中に教授の話すゆっくりとした英語は聞き取れるけれど、学生同士の雑談になると途端にスピードが速くなることに加え、コロコロと話題が変わり、フランクな言い回しやスラングが増え、初めのうちは全く話についていけなかった点です。
●工夫した点
分からなくても、その輪から離れずにとにかく雑談こそ積極的に聞くようにして、耳を慣らすように意識しました。カフェテリアでのランチの席を選ぶときに、1人の時であればあえて大人数で話しているグループの近くに座るなどして、雑談の英語が常に耳に入るようにしていました。

<スピーキング>
●苦労した点
初めの頃は、言いたいことがまず日本語で頭に浮かびそれを英語に置き換えて話す、という状態だったため話すスピードも遅く、なかなかうまく話せなかった点です。
●工夫した点
友人と一緒にいるときに怖がらずにとりあえずどんどん話すことはもちろん、一人でいるときにも、頭の中で考えることや独り言を全部英語でするように心掛けました。また、ネイティブの友人が使っていたフレーズで、いいな!と思ったものはすぐ自分にも取り入れて使うようにして、使えるフレーズを増やすようにしていました。

<リーディング>
●苦労した点
毎回の授業ごとに課せられる、次の授業までのreadingの量が多かったことに加え、読むスピードが遅く毎日読まなければいけない英語文献の量とかかる時間の多さに苦労していました。
●工夫した点
とにかく量を読むことで読むスピードを上げることと、キーワードやポイントをかいつまんで読むように心掛けていました。

<ライティング>
●苦労した点
文法的には合っている文章でも、ネイティブの友人や教授に見せると「ここはどうゆう意味?」と聞かれることが多く、日本語を英語に置き換えるだけでは意味の通らない文章になってしまいがちな点。
●工夫した点
大学のwriting centerや英語のtutoring service を利用したり、原稿をネイティブの友人に見せて意味が伝わらない表現を指摘してもらったりすることで、どのような言い回しや表現をすべきなのか学ぶようにしていました。

○春・夏学期履修した全ての科目について

【科目1】Cultural Geographic

授業形式:レクチャー
クラスの規模:30人弱 8割が現地の学生、2割が留学生
評価のつけ方:評価は、定期テスト3回(multiple choiceとmini essayがいくつか)・授業内での小テスト・提出物3回

授業を通して学んだこと:
元はアフリカにいた人類が世界各地に広がっていった過程を通して、「なぜ地域によって文明や文化、言語の差が生まれたのか」を紐解くという内容。教授が授業で講義をして理解させるのではなく、学生の教科書から読み解く力を向上させることに価値を置いていたため、授業内では教科書の補足になるような説明や動画の視聴と解説がメインでした。授業主体ではなく、自分で文献を読むことで学習していくというスタイルの授業は初めての経験だったので、いい経験になったと思います。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:

学習が授業でのレクチャーベースではない分、授業外で一番時間を割いたクラスでした。毎授業ごとに読み進めておかなければならないreadingの量がとても多く、苦労しましたが、主体的に学ぶというアメリカの大学の勉強スタイルを肌で感じられたことが大きかったです。文献を読む中での疑問などを質問するためにoffice hourに通ったことで、教授とも仲良くなることができ、得るものが多かったと思っています。

【科目2】Public Speaking

授業形式:レクチャー&実践
クラスの規模:17人 留学生は私のみ
評価のつけ方:スピーチ4回、定期テスト1回

授業を通して学んだこと:
会話ではなく、Publicなスピーチとはどのようなものなのか、各学生が今学期中に4回のスピーチをする中で実践的に学ぶという内容。この授業を通して、英語は教科ではなくコミュニケーションのツールなのだということを実感しました。また、この授業のおかげで英語で積極的に話すことになれることができたように感じます。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
2週間に1度スピーチの順番が回ってくるため、トピック決め、発表準備、スピーチの練習に毎回追われていました。ネイティブスピーカーの中で唯一の留学生だったので、クラスメイトが当たり前のように流暢に話す中で太刀打ちするのは難しく感じる部分もありましたが、その分周りのネイティブの友達に文章の添削をしてもらい、何度も繰り返し練習をするなどして、工夫をして乗り越えました。学生が一人一人前に出てスピーチをするので、回を追うごとにクラスの仲が良くなっていくのを実感した授業でもありました。

【科目3】Intro to Business

授業形式:レクチャー
クラスの規模:25人前後 8割が現地の学生、2割が留学生
評価のつけ方:毎授業ごとの小テスト 、課題提出(online)、定期テスト3回(手書きのメモ表裏1枚のみ持ち込み可)

授業を通して学んだこと:
ビジネスメジャーの一番基礎的なクラスで、企業のスタイル、マネジメント、会計、マーケティングなどの様々な分野の基礎を少しずつ学ぶという内容。教科書を読んでいるだけでは分からない、具体例に落とし込むことの重要さを学びました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
定期テストとは別に、毎授業ごとにネット上でのテストと課題があるため、教科書をしっかりと読み込んで理解をすることを心がけていました。この授業を通して、キーワードやポイントを見つけて読む力がついたように感じています。

【科目4】Yoga

授業形式:実技
クラスの規模:23人 留学生は私のみ
評価のつけ方:出席点・提出物2回・毎週のタスク(mini essay)

授業を通して学んだこと:
50分の授業の内、10分をヨガの思想的な部分について、残りの40分は実際のヨガを行うという内容。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
毎回同じ当たりに座ったり、授業後に話しかけてみたり、話しかけてもらったりすることを心掛けたことで、キャンパス内での顔見知りを増やすことができました。また、ヨガの思想の根本的な部分から前向きに物事をとらえ、自分を労わることを学び、ホームシックを乗り越えたことの手助けになっていたように感じています。

【科目5】Environmental Communication

授業形式:レクチャー&ディスカッション
クラスの規模:8人 留学生は私のみ
評価のつけ方:提出物6つ・授業外活動プロジェクト・定期テスト2回

授業を通して学んだこと:
普段の生活の中に潜んでいる環境破壊や地球温暖化の影響と、それを伝えるメディア分析を行うという内容。部屋にいる間はつけている電気やスーパーで買うプラスティック製品など、当たり前だと思っている生活の一部も着実に環境に影響を与える要因になっているのだということを、授業を通して気づくことができ、環境問題やエコな物事の考え方を得ることができました。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
この授業の中では授業外でのプロジェクトが課されており、その中でボランティアに参加するために週末を使ってクラスメイトとポートランドまで出かけたりして、実際に教室の中だけで学べること以上の経験と知識を得ることができて、この授業を取って良かったと思っています。

【科目6】Principles of Marketing

授業形式:レクチャー
評価のつけ方:Daily Quiz、プレゼンテーション、定期テスト3回(multiple choice)

授業を通して学んだこと:
マーケティングをする上での重要な基礎となる知識について、具体例を交えながら学ぶという内容。

全体を振り返って、苦労したこと、楽しかったこと、その他感想など:
授業の中で、用語や形式の説明として教授が積極的に学生からの具体例の共有を促してくれる機会が多く、そのことで以前よりも授業中に積極的に発言できるようになりました。

○寮生活/ルームメイトについてお書きください。

 

(1)ホストファミリー/ルームメイトとの関係

フロア区切りの寮:(大きい建物に20人強が同じフロアに住み、各自部屋を持っているタイプの寮。男女それぞれ3セットずつあるバス・トイレ共有。)一人部屋だったため、自分の部屋の中ではプライベート空間を保てていました。フロアメイトとは、各フロアにあるコミュニティースペース(フロアの真ん中あたりにある、ソファや机がある広めのスペース)で一緒に課題をしたり、話をして仲良くなりました。時間があるときやコミュニティースペースから誰かの話している声が聞こえたときは積極的に自分の部屋を出て、コミュニティースペースにいるように心掛けることで、一人部屋でも同じフロアの友人を作ることができました。

アパートメントタイプの寮:(アパートタイプの建物の中の1部屋を3~4人で共有。部屋の中に共有のキッチンとリビングがある。各自個室を持っていて、部屋ごとに2つあるバス・トイレは二人ごとに共有。)①よりは、日常的に関わる人数が減るけれど、その分仲良くなりやすいです。部屋の中にキッチンとリビングがあるので、料理をしているときやご飯を食べている間にもたくさん話ができる機会が多いため、接点は多いです。人によりますが、自分の部屋にいる時は基本的にドアを開けっぱなしにしておくことで、ちょうどキッチンへ向かう途中に会話が始まるというようなこともありました。

(2)食事(カフェテリア、自炊の方法やバランスなど)
春学期はカフェテリアのみの利用で、夏学期は自炊のみで生活しています。カフェテリアは毎日毎食メニューが変わり、家庭料理、グリルなど3~4ブースの中から自分で好きなものを選べるというスタイルなので、飽きることはありませんでした。サラダバーもあるので、自分で栄養を気にかけておけばそこまで食事も偏ることはないと思います。自炊はアパートメントタイプの寮に住まない限り、部屋やフロアにキッチンが無いためできません。カフェテリアは、平日の営業時間は長く、メニューも豊富でいいのですが、休日は限られた時間帯に限られたメニューしかないため、秋学期はmeal planと自炊の両方を使える状況になるので、平日はmeal plan、休日は自炊というバランスにしようかと思っています。

(3)大学内の活動に参加していますか。
International clubとBusiness and Economics clubに所属しています。どちらも活動は、基本的に週1回のミーティングのみです。それぞれの活動の中でのメインイベントは、毎年5月にあるInternational nightというイベントの企画運営と、週末を使って企業訪問をするBusiness tripです。春学期でのBusiness tripでは、Widen and Kennedyというアメリカの大手広告会社のPortland本社へ行き、社員の方に会社内を案内していただきました。

(4)スポーツはしていますか?具体的に教えてください。
日本でテニスをしていたので、こちらでもテニスクラブに所属しようと思っていたのですが、テニスコートはあるもののテニスクラブは無く、たまに友人とジムからラケットなどを借りてテニスをしているくらいです。

(5)休み中の過ごし方について教えてください。
週車を持っている友人が誘ってくれるときには、Portlandやビーチに遊びに行ったりしています。週末はバスが走っていないので、大学周辺を散歩して新しいお店を発見してみたり、大学の周りで一人暮らしをしている友人の家にみんなで遊びに行ったり、課題が多いときには休日も図書館に行って勉強したりもしていました。