JSAF派遣生留学体験談JSAF EXPERIENCE
神戸市外国語大学外国語学部国際関係学科3年
- 留学先 :アイルランド国立大学ダブリン校
- 留学時期:2022年秋派遣
- 留学期間:2022年8月~2022年12月
大学キャンパスの設備、雰囲気
自然に囲まれた落ち着いた雰囲気のキャンパスでした。建物も比較的新しくて、毎朝清掃員の方が掃除をしてくださっていたので、気持ち良い環境で勉強できました。
また、大学内にはおしゃれなカフェやレストラン、大きなジムやプール、美容室など、なんでもそろっていました。
大学のある街・周辺の環境はどうでしたか
大学のすぐ近くには特に何もありませんが、バスで20分で、町の中心地に行くことができます。
中心地にはショッピングセンターや、カフェ、レストラン、パブが立ち並び、何もすることがない午後や休日は友達と中心地までよく遊びに出かけていました。
キャンパス内外の治安について、教えてください
キャンパス内外ともに治安は良かったと思います。日本よりも街灯が少ないし、夜に空いている店も少ないので暗くて怖いことはありましたが、身の危険を感じたことは特にありません。
現地大学周辺のおすすめスポットはありますか
とにかくパブはおすすめです。日本の居酒屋とは全く違います。お酒が飲めなくても大丈夫です。とにかく行ってみましょう。ダブリンの中心地にあるパブは、人が沢山で賑わっていてとにかく飲んで踊って楽しい雰囲気です。中心地から離れたところにあるパブは、おじさんおばさん率が高めで、懐メロにあわせて踊ったり、ビリヤードやダーツをしたり、ゆったりとした雰囲気です。私は中心地から離れた家の近くのパブで、ふかふかの椅子に座りながら友達とおしゃべりするのが大好きでした。ビールは嫌いですが、アイルランドで沢山ギネスビールを飲んでいるうちにギネスビールのことが好きになりました。
現地学生や留学生とはどのように交流しましたか
大学の日本文化サークルの活動で、お喋り会や、Language exchangeなどがあったので積極的に参加するようにしていました。サークルの皆でアジアンマーケット巡りをしたり、他のサークルとの交流もあったりして楽しかったです。皆日本に興味がある人ばかりなので、自分の英語の勉強になるだけではなくて、相手の役にも立てていることが嬉しかったです。ただ、やっぱり日本と言えばアニメなのに私はアニメに関する知識がほとんどないので、もっといろんなアニメを見ておけば良かったです。
課外活動には参加しましたか?参加した場合は内容や感想を教えてください。
毎週金曜日に無料でミュージアムを見学できる活動があったので参加しました。学校から公共バスを使って美術館まで行き、美術館では先生の説明を聞きながら鑑賞してもいいし、友達と話しながら、または一人で鑑賞してもよく、自由な課外活動という感じでした。この美術館巡りを通じて他のクラスの生徒とも知り合いになることができてよかったです。ただ、アイルランドにはそれほどたくさん美術館があるわけではないので、すべての美術館を見学し終わってからはこの課外活動に参加しなくなっていきました。
学校スタッフについて、教えてください
UCDELAの建物が広いキャンパス内の端っこにあったのでほとんどスタッフの方には会っていません。最初のオリエンテーションの時には分かりやすく外国人登録の方法や、バスの乗り方、その他アイルランドの生活について分かりやすく教えてくださいました。また、UCDELAのインスタグラムでは、学校の情報だけではなく、おすすめの英語のポッドキャストや、ダブリンンのおいしくて安いレストラン、アメリカ英語とイギリス英語の違いなど、為になる情報がたくさん載っていました。
担当の教師について、教えてください
私は3つのクラスを経験しましたが、どのクラスの先生もとてもやさしくて面白くて明るくて大好きでした。
一人目の先生はよく No stupid question, no stupid answer. と言って質問や失敗しやすい環境をつくってくださっていました。2人目の先生は2週間程度しか一緒に過ごしませんでしたが、誕生日にはケーキとプレゼントをくれてクラス全員からメッセージを集めてくれました。3人目の先生は、はじめ話すのが早すぎて何を言っているのか全然分かりませんでしたが、次第に聞き取れるようになってとても良いトレーニングになりました。また、先生も中国で15年くらい生活されていた経験から、言語取得の難しさを理解されており、間違えてなんぼの雰囲気で発言しやすかったです。
授業では、どんな教材を使いましたか
基本的に教科書に沿って授業は進められていました。Unitごとに文法、ボキャブラリー、リスニング、リーディング、スピーキングがはいっており、Unitが終わるごとにテストがありました。
リスニングはBBCニュースの実際の映像が使われることが多かったです。
学校のおすすめのポイントを教えてください。また、どんな方にこの学校での留学をおすすめしたいですか?
完全に日本と違う環境に行ってみたい人におすすめです。
カナダに留学した友達は、カナダは沢山の文化が入り混じっていて特にこれと言って「カナダの文化」はないと言っていました。だから、カルチャーショックも受けていないし特に日本での生活と変わらないと言っていました。逆にアイルランドには日本人はほとんどいないし、日本のお店も多くはありません。ロンドンなど他のヨーロッパの大きな都市と比べるとダブリンはまだまだ田舎で「アイルランドの文化」が濃いなと感じます。アジア人自体がそれほど多くないので良くも悪くも目立つし、ユニクロやダイソーなど、外国の大きな町にありそうな店がありません。不便に感じることもあるかもしれませんが、これまでと全く違う環境で生活する場所としてはとても良いと思います。
プログラム費以外でかかった費用目安
生活費 | 7~8万円です。 外食費がすごく高いです。一回の外食で1500円は必ず使います。 |
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渡航前に日本で準備しておけば良かったこと
アニメについて聞かれることが多いので、もっと日本のアニメを見ていたら友達がつくりやすかったかもしれません。
日本から持ってくれば良かった物
●お気に入りの洋服
海外の学生はラフな服装だから、おしゃれな洋服は持って行かなくていい、と聞いていたのでデニムとスウェットばかり持っていきましたが、
適当な服より自分の好きな服を着ているほうが気持ちも明るくなるし、自信もつくので、もっとかわいい服を持ってくればよかったです。
日本の服は変に浮いてしまわないか心配する人もいるかもしれませんが、誰も他人の服装なんてそれほどきにしていません。
●青汁
私のホストファミリーだけかもしれませんが、とにかく野菜が出てきません。私はアイルランド生活一週間目くらいで便秘になりました。
粉の青汁は軽くて場所も取らないので持ってくれば良かったです。
●メイク落としシート
●汗拭きシート
私の家はシャワーの時間が夜8時までと決められていたので、夜ご飯を外に食べに行ったらシャワーを浴びることはできません。
メイク落としシートがあればすごく楽だったと思います。
現地に持って行って便利だった物
●洗顔ネット
洗顔ネットはアイルランドのお店には売れていません。ロンドンに行った時に見つけましたが700円くらいだったので、日本の100均で買って持ってくることをお勧めします。
学生生活
1週間のおおまかなスケジュール
月 午前:授業 午後:自由
火 午前:授業 午後:自由
水 午前:授業 午後:日本文化サークル
木 午前:授業 午後:テスト勉強
金 午前:授業(テスト) 午後:友達と遊ぶ、美術館に行く 夜:パブ
土 旅行、ショッピング、映画、パブ、など
日 旅行、ショッピング、映画、パブ、など
友達やクラスメイトとの交友関係、付き合い方を教えて下さい。友達を作る上で工夫した点などもあれば教えてください。
日本人だけだと日本語を話してしまうので、なるべく日本人しかいないコミュニティには近づかないようにしていました。日本人と遊ぶときは他の国の友達も誘うように心がけていました。
ただし、英語を話さなきゃ、、、と神経質になりすぎるのもよくなかったです。英語を話すために無理して気の合わない友達といるよりも、その人と話したいから英語を話す、という優先順位にしないと、人と遊ぶのも疲れるし、英語を話すのも疲れてしまします。
また、気になることや嫌なことがあったら言葉ではっきり伝えるようにしていました、文化もこれまでの人生も全く違う者同士だから誤解が生まれるのは当たり前だし、そのまま放置するよりはよっぽど良いと思います。もしもこれで嫌われたとしても3か月で会わなくなるから大丈夫だという精神で生きていました。
留学生活の中で、最も良い思い出、大変だった思い出
良い思い出:
毎日幸せでしたが、誕生日パーティーが楽しかったです。
大変だった思い出:
日本よりも乾燥いることと、栄養不足などの原因から体調を崩してしまうことが何度かありました。
日本では6年くらい病気にかかっていなかったので3か月くらい余裕だろうと思っていましたが、日本からもっとたくさん薬を持ってくれば良かったです。
一番の息抜きの方法
家に帰ってルームメイトとご飯を食べたりお喋りをしたりすることが一番の息抜きでした。
ルームメイトが居ないときはカフェに行って美味しいものを食べるとリフレッシュできました。日本のカフェは若い女の子がお洒落をしていくところというイメージがありますが、アイルランドのカフェはおじいちゃんやおばあちゃん、家族連れ、などさまざまな人がいて、着飾っていく必要もないのでとてもリラックスできます。
日本の家族、友人との連絡頻度
家族とは毎日一回は連絡を取る約束をしていたのではじめは「今日も元気です」と毎日連絡をしていましたが、だんだん面倒くさくなって、最終的には用がある時に連絡するだけになっていました。アイルランドに来る前は一人暮らしをしていたので、その時と連絡頻度は変わっていないと思います。
滞在先について
ホームステイ先の環境について教えてください
【あったもの】
ベッド、タンス
【調達したもの】
特にありません。
ホストファミリーやルームメイトとの関係について(どんな方でしたか?ルールなどはありましたか?コミュニケーションをとる上で工夫した点)
【ホストファミリー】
ホストファーザーとホストマザーの二人暮らしのおうちでした。50代後半くらいだと思いますが、孫が5人もいて週末は孫とハイテンションで遊んでいました。平日の夜は二人で毎晩映画を見ていて、仲良しな素敵な夫婦でした。でも、あまり私達に興味はなさそうで、逆に干渉されるのも嫌そうだったので、一定の距離を常に保っていました。
ポジティブに考えると、お互いに干渉していなかったので、ルールはシャワーの時間帯だけで、夜遅くに帰宅しても何も言われず、自由に行動できて良かったです。
初めはアイルランド訛りの英語が全然聞き取れず、分かっていないのにわかったふりをして、会話が全然うまくいきませんでしたが、分からなかったら聞き直すようにしてからはコミュニケーションがとりやすくなりました。
食事のクオリティは日本と比べると下がるなと感じました。作ってもらったらThank youをきちんと伝えたり、比較的おいしかった日は「今日のご飯はとてもおいしかったです。」と伝え続けたりしたことで、心なしかご飯のクオリティも改善された気がします。
【ルームメイト】
同じ家には日本人の女の子(19歳)とイタリア人の男の子(18歳)がいました。この二人と出会い、同じ家で本当の兄妹みたいに過ごすことができて本当に本当に私はラッキーでした。3人で毎晩4時間くらい、とにかく喋り続けたおかげで、スピーキングの伸びが思ったよりも早かったです。
日本人の女の子とは、自分の英語力のためにもあまり関わりすぎないようにした方がいいかもしれない、と初めのほうは思っていましたが、私の外国人の友達が彼女と仲よくなったり、逆に彼女を通じて新しい友達が出来たりと、友達の輪がお互いを通して広がっていったので結果的に良かったです。また、彼女がいたことでいろいろなことに対するハードルが下がり、より行動的になれたと思います。
イタリア人の男の子は、とにかく人当たりが良く、よく食べよく飲みよく寝て人生をエンジョイしている人でした。ホストファミリーのご飯が全部食べ切れない日は彼が全部食べてくれました。彼のおかげで沢山のイタリア人の友達ができて、イタリア人が大好きになりました。
食事はどのようにとっていましたか?
【朝】
6:30 家 トースト
8:30 学校のメインレストラン スコーンかポリッジ
【昼】
13:00 学校のメインレストラン サンドイッチ
【夜】
18:00 家 パスタ、ピザ、ジャガイモなど
日本の家族、友達とはどのくらいの頻度で、どのように連絡をとっていましたか?
家族とは毎日一回は連絡を取る約束をしていたのではじめは「今日も元気です」と毎日連絡をしていましたが、だんだん面倒くさくなって、最終的には用がある時に連絡するだけになっていました。アイルランドに来る前は一人暮らしをしていたので、その時と連絡頻度は変わっていないと思います。
現地での授業を総括して、日本の授業と違うと感じた点、留学先国の授業の特色、自分が感じたことなどを自由にお書きください。
日本の授業との一番大きな違いは発言の頻度です。分からない単語が出てきたらすぐにみんな質問していました。日本でいるときは、授業を止めてしまうので授業後に質問するか、分からないまま放置してしまうことが多かったのですが、質問をすることで他の人の学びにもなるし、授業により参加できていると感じることができてよかったです。また、他の生徒もみんな質問しやすい雰囲気をつくってくれていました。
語学力について
留学開始当初と比べ外国語力はどのくらいついたと感じますか?
留学前は赤ちゃん程度の英語力でしたが、今は小学生くらいまで成長したと思います。留学当初は単語をつなげて会話したり、携帯の翻訳機能を使わないと会話できなかったりする場合が多かったですが、現在は日常会話なら言いたいことは大体言えるし、分からない単語が伝えたかったら、その単語を英語で説明して伝えられるようになりました。
語学力上達のために、工夫したこと、努力したこと
リスニング | ●苦労した点:スピーキングと違って自分で難易度を調整できない点。 〇工夫した点:あきらめないこと。分からなかったら会話の流れを止めてでも質問する勇気を持つこと。 |
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リーディング | ●苦労した点:B2+の教科書は知らない単語が多くて難しかった。 〇工夫した点:知らない単語はすぐ調べるようにした。 |
ライティング | ●苦労した点:スピーキングのようにジャスチャーや写真が使えないので文章力だけで勝負しなければいけないこと。 〇工夫した点:毎日英語で日記をつけて次の日の朝に先生に添削してもらった。 |
スピーキング | ●苦労した点:失敗するのが怖くて最初は話したくなかったこと。 〇工夫した点:間違えて当たり前、大切なのは話す内容だと信じて、正しく話すことよりも、正しく伝えることを意識した。 |
勉強するのに役立つ教材や方法など
毎晩映画を英語字幕で見ていましたが、そのおかげでリスニングが伸びました。
授業でも日常でも英語をたくさん使って疲れているので、夜のリラックスタイムは自分が楽しいと思える勉強方法で勉強するといいと思います。
今回の留学の目的は何でしたか
英語を話せるようになる。
ボランティアをする。
沢山友達をつくる。
イエスマンになって何でもやってみる。
上記の目的は達成されましたか
ボランティアをする以外は達成できました。ボランティアできる場所が見つからず、大学のボランティアサークルのようなものにも入りましたが、活動がないまま終わってしまいました。
留学を通して身に付いた、成長したと感じる点
いろんな国の人と話して、生き方は一通りではないということに気が付きました。
たくさん勉強して「いい高校」に入学し「いい大学」に入学し「いい企業」に就職することが幸せだと思っていましたが、自分が幸せだと感じることをするのが幸せだという当たり前のことに気が付きました。この留学も、なにか就活のためになったらいいなという気持ちがありましたが、「就活のため、、、」と思いすぎて留学中苦しくなって楽しめなかったら元も子もないしそれは就活に活かせる留学ではないと思います。未来を心配しすぎることよりも今を精一杯楽しんで、今できるベストを尽くして生きることが未来のためになるということに気が付きました。
成長ではなく後退と捉える人もいるかもしれませんが、これが私の留学中の一番大きな気づきです。
留学を通しての現在の想い
早く日本に帰りたいという気持ちと、まだまだここに残っていたいという気持ちが半々です。
ここで出会った素敵な人たちと離れるのは本当に辛いですが、10年後でも20年後でもいいのでまた会えた時に、みんなに胸を張れる自分でありたいです。
今後の進路、目標について
進路に関しては留学前も現在も大きな違いはありませんが、留学後の目標はできました。
一つ目は親に金銭的に恩返しすることです。この留学にはたくさんのお金をかけてもらって本当に幸せで楽しい経験をさせてもらったので、親に言葉で伝えるのはもちろんですが金銭面でも将来的に恩返ししたいです。
二つ目は留学中に出会った友達を日本でおもてなしすることです。アイルランドはヨーロッパからの留学生が多く、みんな日本に憧れはあるけど行ったことがないと言っていたので、みんなを日本に呼んで、英語で日本を案内してあげたいです。
三つ目は来年の模擬国連世界大会に参加することです。私はSDGsに興味がありアイルランドで現地の学生とSDGsに関する取り組みにはどんなものがあるのか話し合いたいと思っていました。ところが、現地の学生でSDGsついて知っている人はほとんどおらず衝撃を受けました。もっと日本だけではなく世界中の学生と世界の問題について話してみたいので、来年の模擬国連ドイツ大会に参加したいと思います。
同じ大学へ留学する後輩へのメッセージ、知っておいたほうが良いこと
日本でアイルランドの観光ブックを探しても全然見つからないと思います。SNSにもアイルランドの情報はほとんど載っていません。実際にアイルランドに行って、人々の温かさ、自然の美しさなどなどガイドブックにも載っていない、写真にも残せないものをたくさん見て感じてください。
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